きせつのはるにたんぼのＴＡ

八ヶ岳から観察記録が届きました。

私にとって第二の故郷となった野辺山地区は１０年ほど前に釜平の母さんに紹介されて行ったのがきっかけで、休みなく働いていた当時から、周囲のアドバイスもあり、月に一度だけ強制的に仕事から離れる場所として訪れていました。

自然豊かなその町は、あらゆるジャンルの作家さんたちが創作する場所として選ぶことがわかるほど、妙な雑音もなく、むしろ「ナニもない贅沢」を体感できた事で、私の性分にも合い、たくさんの作家さんたちと出会い、為人（ひととなり）をお聞かせイタダキながら未熟な私の創作活動に少なからず影響を与えてくれました。
雪を不便だと言わない限り、四季を通して魅力ある町です。

アウトレットだ、テーマパークだと騒ぎそうな年頃のムスメたちとも度々訪れていました。

知り合いも増え、本来の目的から少し脱線してしまいましたが、町の人たちのあたたかさに触れ、キノコ狩りに連れて行ってもらったり、スノーボードなんかも教えていただく機会を得る事ができました。

常宿から紹介された「花吹雪」は野辺山駅から数分のところにあり、地元の方たちばかりではなく、シーズンになれば遠方から訪れる別荘族や旅行客の舌も胃袋も満たしてくれる居酒屋さんです。
ボリューム満天の料理に加え、山の中でありながら新鮮な魚料理が食べられるのも嬉しいお店です。
一人では食べきれないほどの料理ですが、｢このくらい食べないと、この町の若者は仕事ができない！｣というのがマスターの口癖です。

マスターのカクさんは、なんでもできるスーパーマンで、雪山での人命救助やウインタースポーツ、キノコ狩りから蜂の巣採りまでこなし、道なき道をクルマで走りながら、「今日は山に３台クルマが入ってるな」などと、確認しようのない話しまでしてくれる愉快な人です。

私たちの子ども会で数年前から毎年１０月の後半に行っている「うど★ハロウィン」の話しをする機会があり、「どこか大きなカボチャを譲ってくれるところがないか？」と相談すると、「ウチの畑で作っちゃえばイイじゃないですか！」と二つ返事で引き受けていただいて以来、毎年広大な畑をお借りしてお世話になっています。
高原野菜が美味しく育つ土地で作る贅沢なジャンボカボチャです。


最初は右も左もわからず、肥料はどのくらい必要なのかとか、日照加減はどんなものか？など、手探りで始めながら、「この木が邪魔だ！」と樹齢何十年もの木を何本も切り倒し、カボチャの育つ環境を優先させちゃう豪快な一面も持っています。
日々の生育の世話ができない私に代わり、「任せとけ」と言わんばかりにやっちゃうカクさんに甘えっぱなしで恐縮しながら、収穫時期になるとヘラヘラ尻尾を振って行く私を笑顔で向かえてくれた上に、同じ畑で採れた完全無農薬野菜をクルマに乗り切れないほど積み込んでくれます。

友人と言えば叱られるかも知れませんが、頼りになる兄貴です。



今年も収穫時期が近づき、見る見る成長するカボチャの写真を「定期連絡」と称し、送ってくれています。
今月末には収穫する予定ですが、現在５～６個の生育を確認しているとのことで、勝手に楽しみにしています。

子ども会も自力で育てる事をやっと覚え、「サツマイモ畑」で作っていますが、昼夜の寒暖の差が少ない静岡のカボチャは色付くのが遅いのか、白っぽい出来栄えとなっています。

八ヶ岳で育ったカボチャは収穫して終わりではありません。
近年では子ども会にプレゼントしなくても良くなったので、私流に細工をして日頃お世話になっている皆さんにプレゼントしています。
決して同じカタチに育たないカボチャは収穫後のカタチを見ながら、変身させるモチーフを考えます。
　　

キャラクターなどに変身させることが多いのですが、幼稚園の真ん前に位置する弊社は、その期待も大きいらしく、昨年はズルをして手を加えないジャンボカボチャを並べたところ、ブーイングの荒らしで「今年は変わんないンだね」とか、「なーんだ。。。」とか心無い言葉と共に、勝手に残念がるご批判もいただきました。
今年もチャレンジはするつもりでいますが、あくまでもカボチャの出来栄えに準ずるものであることをご理解をいただき、勝手に楽しみにしていただければ幸いです。