2015年08月09日
流しちゃダメ!
2波3波と次々に押し寄せる便意に、一時は山道の木の影で・・・と、車内に常備しているトイレットペーパーを確認しながら、最後の決断をするものの、「ギンギラギンにさり気なく(マッチ)」の歌詞を思い出しながら気を紛らせながら52号線を北上していました。
「ハイティーンブギ(マッチ)」の歌詞を思い出す頃にはたぶん健康な顔色とは言い難い状況だったに違いありませんが、「スニーカーぶる~す(マッチ)」を口ずさみ、「ヨコハマチーク(マッチ)」を思い出した頃には、もはや第何波の潮騒なのかは既にどうでもよく、こんなことならマッチのベストアルバムを買っときゃ良かったと、自身の準備不足を呪います。
「ゆれてハラハラな~やんで」とNight & Dayをうまくひっかけた「情熱☆熱風せれなーで」の歌詞に感心しつつ、もっと大腸が長ければとか、それじゃシッポじゃねぇか!だとか、指先から出せたら便利なのに!とか決して便意がアタマから離れる事はなく、ドライブの際には「アテント」の装着をマジメに考える年頃です。
ほぼうつろな状態で「下部温泉駅」にたどりつき、駆け込んだトイレでギリギリセーフを確認し、ウッスラ涙を浮かべホッとしながらふと見た目の前の貼り紙には「トイレットペーパー以外は流さないでください」と書かれていました。
いやいや決壊したてのたっぷりの土石流は・・・?
ワケありで、わざわざこの駅まで来て、トイレットペーパーだけを流してナニが楽しいのか?と、疲れきった脳みそで考えてみますが、そこは「清水のペーパーナイフ」と呼ばれ、泣く子も笑う不良少年だった私は、悪い顔をしながら全部流してやりました。
ちなみに缶ジュースに「開缶後はすぐにお飲みください」と書かれている場合は、すぐに飲み切る一面も持ち合わせています。
と、そんなプチエピソードはともあれ、ネットで見つけた下部温泉郷に来てみました。
清水からは1時間半程度でしょうか。
車屋ケンチャンも「下部はイイらしい・・・」と、温泉好きの友人から聞きかじった情報を受け売りしていましたので、背中を押された恰好です。
いつもならそのまま国道52号線を北上してしまって富士川の向こう側を通る事などありませんでしたから、まさかそんなところに温泉街?とネットの写真を見る限り昔ながらの温泉宿が立ち並ぶ風景に密かにワクワクしていました。
それならオナカが痛くなくても前日から正露丸を飲んどきゃ良かったのですが、1時間半ほどの道程をナメ切っていました。
山道にコンビニがいくつかあることだって、考えてみればアテントを装着しなくても、タバコやジュースを買うためだけに存在しているわけではない事はわかることです。
スッキリしたし、とりあえず昼メシ!と、クルマをトイレの前に停めたまま、周辺の食堂を覗き込みますが、どちらも老舗過ぎて不安がよぎるタイプの店で、店先のショーケースの中のロウで作ったサンプルもとても新鮮には見えず、蕎麦に至ってはトンコツ並みにギトギトのスープでは食欲も失せてしまいます。
道から少し入ったあたりにカフェ風のお店がありました。
見渡すところ選択肢も多そうではないので、消去法により決定します。
ちょっとオシャレな店構えは、財布の中身と要相談ですが、シェフらしき人が大きな鉄板でステーキを焼いていれば場違いなカンジは否めません。
かなり隅っこの小さなテーブルを選び、すまなそうに座ってみると、英語混じりで音楽を紹介する湘南あたりのFMラジオのお姉さんのようなしゃべり方をする店員さんがメニューとお水をもって現れました。
「お決まりの頃、またお伺いしますねチェキラー!」
チェキラーは言わないまでもそんなカンジです。
どう見ても都会育ちを漂わす雰囲気は、自分を美人だと思って生きている私のもっとも苦手なタイプの美人です。
ご家族で経営されているのか、似たような美人がもう1人いてモデルのような歩き方でほかのお客さまをもてなしています。
注文をし、食事が届くまでの間が長いのはあまり好きではありません。
隣に座った同世代のカップルは、どうやら温泉街を散策する模様で、ガイドマップを開きながら予習中のようです。
ガイドマップを持っていない私は、スマホを頼りに日帰り温泉を探そうかとも考えましたが、温泉郷と名のつく温泉街ならドコも一緒だろうと食事代を支払いながらさっきのお姉さんに聞いてみると、台風だか豪雨だかの影響で坂道沿いに建つ多くの温泉宿が被害に会い、開店休業状態のところも多いとか。
施設も古いためにそのまま営業をやめてしまったところもあるようで、影響を受けなかった下部温泉ホテルなんかいいんじゃない?ドンミスイット!みたいに紹介されたので、リーズナブルで時間制限もないというそのホテルへ行ってみる事にしました。
全長1キロあるかないかの温泉街で、営業中かどうかは別として、ネットで見たような風景は、少々淋しげながらやはり趣があります。
人影もまばらで熱海や箱根とは全く違う独特感は、ぶらりと立ち寄ってみるのも面白いのかも知れません。
2時間ほど温泉に入らせていただきましたが、私1人の貸切風呂でした。
浴槽はふたつあり、露天風呂も3つありました。
どれが何の風呂かの説明がないので、どの風呂を選べばいいかがわかりませんでしたが、貧乏性の私は全部の風呂に一通り浸かってゆっくりさせていただきました。
すっかりほてったカラダでロビーに出ていくと「敷地内から泉質のイイ温泉が湧いているんです」と自慢の硫黄泉を黒服の偉い人らしき人が教えてくれました。
聞けば、湯温が違うだけで、どの風呂も同じ泉質である事もわかりました。
派手さもなく、観光地と呼ぶにはもうひとつのような気がしますが、静かな田舎町の温泉で日頃の騒音から解き放たれるわずかな時間を楽しめる歳になりました。
「ハイティーンブギ(マッチ)」の歌詞を思い出す頃にはたぶん健康な顔色とは言い難い状況だったに違いありませんが、「スニーカーぶる~す(マッチ)」を口ずさみ、「ヨコハマチーク(マッチ)」を思い出した頃には、もはや第何波の潮騒なのかは既にどうでもよく、こんなことならマッチのベストアルバムを買っときゃ良かったと、自身の準備不足を呪います。
「ゆれてハラハラな~やんで」とNight & Dayをうまくひっかけた「情熱☆熱風せれなーで」の歌詞に感心しつつ、もっと大腸が長ければとか、それじゃシッポじゃねぇか!だとか、指先から出せたら便利なのに!とか決して便意がアタマから離れる事はなく、ドライブの際には「アテント」の装着をマジメに考える年頃です。
ほぼうつろな状態で「下部温泉駅」にたどりつき、駆け込んだトイレでギリギリセーフを確認し、ウッスラ涙を浮かべホッとしながらふと見た目の前の貼り紙には「トイレットペーパー以外は流さないでください」と書かれていました。
いやいや決壊したてのたっぷりの土石流は・・・?
ワケありで、わざわざこの駅まで来て、トイレットペーパーだけを流してナニが楽しいのか?と、疲れきった脳みそで考えてみますが、そこは「清水のペーパーナイフ」と呼ばれ、泣く子も笑う不良少年だった私は、悪い顔をしながら全部流してやりました。
ちなみに缶ジュースに「開缶後はすぐにお飲みください」と書かれている場合は、すぐに飲み切る一面も持ち合わせています。
と、そんなプチエピソードはともあれ、ネットで見つけた下部温泉郷に来てみました。
清水からは1時間半程度でしょうか。
車屋ケンチャンも「下部はイイらしい・・・」と、温泉好きの友人から聞きかじった情報を受け売りしていましたので、背中を押された恰好です。
いつもならそのまま国道52号線を北上してしまって富士川の向こう側を通る事などありませんでしたから、まさかそんなところに温泉街?とネットの写真を見る限り昔ながらの温泉宿が立ち並ぶ風景に密かにワクワクしていました。
それならオナカが痛くなくても前日から正露丸を飲んどきゃ良かったのですが、1時間半ほどの道程をナメ切っていました。
山道にコンビニがいくつかあることだって、考えてみればアテントを装着しなくても、タバコやジュースを買うためだけに存在しているわけではない事はわかることです。
スッキリしたし、とりあえず昼メシ!と、クルマをトイレの前に停めたまま、周辺の食堂を覗き込みますが、どちらも老舗過ぎて不安がよぎるタイプの店で、店先のショーケースの中のロウで作ったサンプルもとても新鮮には見えず、蕎麦に至ってはトンコツ並みにギトギトのスープでは食欲も失せてしまいます。
道から少し入ったあたりにカフェ風のお店がありました。
見渡すところ選択肢も多そうではないので、消去法により決定します。
ちょっとオシャレな店構えは、財布の中身と要相談ですが、シェフらしき人が大きな鉄板でステーキを焼いていれば場違いなカンジは否めません。
かなり隅っこの小さなテーブルを選び、すまなそうに座ってみると、英語混じりで音楽を紹介する湘南あたりのFMラジオのお姉さんのようなしゃべり方をする店員さんがメニューとお水をもって現れました。
「お決まりの頃、またお伺いしますねチェキラー!」
チェキラーは言わないまでもそんなカンジです。
どう見ても都会育ちを漂わす雰囲気は、自分を美人だと思って生きている私のもっとも苦手なタイプの美人です。
ご家族で経営されているのか、似たような美人がもう1人いてモデルのような歩き方でほかのお客さまをもてなしています。
注文をし、食事が届くまでの間が長いのはあまり好きではありません。
隣に座った同世代のカップルは、どうやら温泉街を散策する模様で、ガイドマップを開きながら予習中のようです。
ガイドマップを持っていない私は、スマホを頼りに日帰り温泉を探そうかとも考えましたが、温泉郷と名のつく温泉街ならドコも一緒だろうと食事代を支払いながらさっきのお姉さんに聞いてみると、台風だか豪雨だかの影響で坂道沿いに建つ多くの温泉宿が被害に会い、開店休業状態のところも多いとか。
施設も古いためにそのまま営業をやめてしまったところもあるようで、影響を受けなかった下部温泉ホテルなんかいいんじゃない?ドンミスイット!みたいに紹介されたので、リーズナブルで時間制限もないというそのホテルへ行ってみる事にしました。
全長1キロあるかないかの温泉街で、営業中かどうかは別として、ネットで見たような風景は、少々淋しげながらやはり趣があります。
人影もまばらで熱海や箱根とは全く違う独特感は、ぶらりと立ち寄ってみるのも面白いのかも知れません。
2時間ほど温泉に入らせていただきましたが、私1人の貸切風呂でした。
浴槽はふたつあり、露天風呂も3つありました。
どれが何の風呂かの説明がないので、どの風呂を選べばいいかがわかりませんでしたが、貧乏性の私は全部の風呂に一通り浸かってゆっくりさせていただきました。
すっかりほてったカラダでロビーに出ていくと「敷地内から泉質のイイ温泉が湧いているんです」と自慢の硫黄泉を黒服の偉い人らしき人が教えてくれました。
聞けば、湯温が違うだけで、どの風呂も同じ泉質である事もわかりました。
派手さもなく、観光地と呼ぶにはもうひとつのような気がしますが、静かな田舎町の温泉で日頃の騒音から解き放たれるわずかな時間を楽しめる歳になりました。
Posted by Nori at 18:28│Comments(2)
│ぶらり旅
この記事へのコメント
こんばんは。
猛暑続きでしたが、今日は多少気温が低めでした。
そうは言っても、33度でしたが・・・・・・。
久しぶりのアップで、楽しく読ませて頂きました。
苦しいのか、楽しいのか、紛らわしいお話ですが
やはり苦しいんでしょうね(笑い)。
でも我慢の限界に達した後の爽快感は、また格別
でしょうね。勝手な事を書いて失礼。
下部温泉は湯量の豊富な温泉郷と聞きます。
爽快感と良きお風呂で、生き返ったように感じられた
でしょうね。私も1度訪れたいと思っています。
暑い日が続いています、体には気をつけましょう。
猛暑続きでしたが、今日は多少気温が低めでした。
そうは言っても、33度でしたが・・・・・・。
久しぶりのアップで、楽しく読ませて頂きました。
苦しいのか、楽しいのか、紛らわしいお話ですが
やはり苦しいんでしょうね(笑い)。
でも我慢の限界に達した後の爽快感は、また格別
でしょうね。勝手な事を書いて失礼。
下部温泉は湯量の豊富な温泉郷と聞きます。
爽快感と良きお風呂で、生き返ったように感じられた
でしょうね。私も1度訪れたいと思っています。
暑い日が続いています、体には気をつけましょう。
Posted by なっちゃん at 2015年08月09日 19:00
なっちゃんさん、こんばんは。
少し暑さは和らぎましたね。台風の影響もあるようですが、1℃でも2℃でも涼しいに越したことはありません。
数日前までの暑さがずっと続くんではカラダがもちません。
そんな年頃です。
下部温泉周辺も静かな町ですが温泉郷に足を踏み入れると、またソコは別世界で、近くにこんな町並みがあったのか・・・と感慨ひとしおでした。
炭酸泉ではないのでチョット残念でしたが、まぁ温泉には変わりなく、のんびりした時間を過ごしてきました。
身延山なんかも近くですし、ぶらりと足を延ばしてみてはいかがでしょう。
いつも汚い話ですみません。
少し暑さは和らぎましたね。台風の影響もあるようですが、1℃でも2℃でも涼しいに越したことはありません。
数日前までの暑さがずっと続くんではカラダがもちません。
そんな年頃です。
下部温泉周辺も静かな町ですが温泉郷に足を踏み入れると、またソコは別世界で、近くにこんな町並みがあったのか・・・と感慨ひとしおでした。
炭酸泉ではないのでチョット残念でしたが、まぁ温泉には変わりなく、のんびりした時間を過ごしてきました。
身延山なんかも近くですし、ぶらりと足を延ばしてみてはいかがでしょう。
いつも汚い話ですみません。
Posted by Nori at 2015年08月10日 21:09