2014年05月06日

ドーピングカボチャ

ドーピングカボチャ静岡県と山梨県の県境あたりで特別養護老人ホームを経営する大先輩のイケチャンは、ずいぶん前に県会議員を引退した人でもあります。
どうしてこの人が県会議員になれたのかは未だに理解できませんが、八方破りの性格を支持する人が多かったんだろうと勝手に推測します。
議員時代にも折に触れ面識もあったのですが、若かった私が議員さんにナニかお願いすることもありませんでしたし、どれほどの実力者なのかを知り得る立場でもなく、言ってしまえばお互いに知ってる程度の関係でした。
6年ほど前だったと記憶しますが、地域活動で私たちと活動をしていたやはり先輩でオンナ部長だったカッチャンが、合わせたい人がいると言ってイケチャンを連れてオフィスに現れました。
ドーピングカボチャカッチャンとイケチャンの関係は謎のままですが、仲好しだということはわかりました。
目的は「ハロウィンカボチャ」でした。
私が八ヶ岳で毎年ハロウィンカボチャを作っていることは何度か紹介していますが、カボチャに彫刻していたことが一部で話題になっていたらしく、イケチャンの目に留まり、「どうやるんだ?」と低いアタマと腰で現れたというわけです。
会えば「な~んだ」とお互いに知っているわけで、話しも早く、「あーやって、こーやって・・・」と手ほどきが終わると、乗ってきたクルマから大きなファイルを取り出し、「オレは切り絵を趣味でやってるんだ」とナンとも素敵な特技を見せてくれました。
ドーピングカボチャ「切り絵」なんて高尚な趣味をお持ちの人間なんて私の周辺には皆無なので、その緻密な作業行程を教わりながら私にもできるかも・・・と、眠っていた才能に火をつけていただきました。

すぐさま新築住宅建築記念やお誕生日プレゼントなどとしての制作依頼に結びつき、ズブのド素人ながら少々儲けさせていただきました。

現在も絶賛取扱中です。

ドーピングカボチャ話しが脱線しましたが、イケチャンの帰り際にカボチャをいくつかプレゼントすると、「切り絵の達人」にとってはクラフトナイフを彫刻刀に持ち代えるだけのこと。

たちまちハロウィンカボチャは、作品に生まれ変わり、ご本人の経営する高齢者施設で展示したところ、お年寄りはもちろん小さな町で話題になり、新聞社の取材まで受ける騒ぎになりました。

掲載された新聞には、始めたきっかけや私の影などミジンもなく、まんまとイケチャンの手柄にされてしまいました。

ドーピングカボチャその後も一代目のタネを子ども・孫と代々育苗し、大きなカボチャにするための試行錯誤を繰り返しながら、町中にハロウィンカボチャの「輪」を広げ、ハロウィンシーズンには「ジャンボカボチャコンテスト」を町を巻き込んで開催しているといいます。
農村なので、ビッグなカボチャを育てる土地には困らず、作物を作るかたわら作った「カボチャコンテスト」はなかなか盛大なんだそうです。

数日前に、カッチャンから久しぶりに電話があり、ヤンチャオヤジのさらなる進化を知らされます。

ドーピングカボチャいよいよ、4~50キロ程度のカボチャづくりに限界を感じ、ジャンボカボチャの全国大会の優勝者を探し出し、直接出向いて育て方の指南を直々に受けてきた上に、「ホンキのタネ」を譲り受けてきたと言うのです。
目指すは400キロ!
オトナ数人でも持ち上げられない超ビッグなカボチャは、特殊な器具で固定してユニック車で釣り上げなければ移動はできないんだそうです。
で、私から譲り受けた「ジャンボカボチャづくりの魂」を「倍返し」どころか「10倍返し」したいとの思いに至り、「ホンキのタネ」から芽を出した「苗」を私にプレゼントしてくれることになりました。
ドーピングカボチャ地域の子ども会と育成部が共同開催する「さつまいもの苗植え」も近々あるので、両者に話したところ「是非欲しい」と言うことで、私が代表してカッチャンと共にクルマで30分もかかる山奥のド田舎で、天狗並みに鼻を高くして待ち受けるイケチャンに会いに行ってきました。
「ォオー!来たか!来たか!」と高齢者施設のエントランスで相変わらずエラソーに待ち構えるイケチャンの前には、今回のタネを入手し、苗にするまでのイキサツが書かれた大きなボードが、これ見よがしに写真付きで展示され、ポットに植えられた苗がたくさん並んでいました。

ドーピングカボチャ苗の根元をよく見ると、「400円」「500円」と値札が刺さっています。

「売ってるわけ?」
「ちゃんと育てば10万円でも安いくらいのカボチャになるんだ、安いモンだろ!?」
「で、ちゃんと育つわけ?」
「そのはずだ!ハッハッハ!」

このオトコがいつまでも元気な理由がわかります。

「で、この苗は誰が買うの?」
「県内のアチコチから買いに来てるよ!今日だけで70人ほど来たかなぁ。。。」と言って、名前と住所や連絡先が書かれた名簿を見せてくれます。
「ナンで、ココで売ってることをみんな知ってるの?」
「コレだよ、コレ!」
ドーピングカボチャ議員時代のコネなのか、地域貢献のタマモノなのか、ちゃっかり静岡新聞に記事掲載されていて、自身のスゴさもしっかりアピールしていました。
「カボチャ研究会」などとインチキ組織まででっち上げ、自分が事務局となり、オオカタ名簿に名前を書いてくださったお客さん達が「会員」になっているかどうかの真偽は私にはわかりませんが、真実を報道するはずの「新聞」が書いているのですから、その通りなのかも知れません。
ココまでやっている大先輩には脱帽するしかありませんが、育て方を細かくまとめたA4サイズの2枚の指導書を配付するなど、かゆいところにも手が届いています。
既に400キロに向け、始動した畑には贅沢にも3本の苗しか植えてありませんでした。
風除けネットに囲まれた畑の中で、さらに風除けのための段ボールで過保護。

ドーピングカボチャイイと言われる肥料でドーピングしまくって、とにかくデカくすることだけに集中し、欲張ることなく少数精鋭で目的を目指すと、覚悟はカッコイイのですが、畑は他人のものというのもイケチャンらしいです。

自慢の施設を「見ていけ、見ていけ」と100人ほどが入所する施設も丁寧に案内していただきました。
ところどころにこだわった「自慢」の数々は、さすがです。
施設の性質上、すべてのドアは開錠してからでないと通れない仕組みですが、開くたびに表れるゆとりの空間には入所さんたちに優しい気配りがたくさんありました。
私にとっても必ずしも避けて通れない道だとしたら、施設側のこうした配慮や、大変な仕事ながらスタッフの皆さんの明るい対応に、「こんな施設に入りたい」と思える施設でした。
ドーピングカボチャ
約束通り、私が今まで見たこともない太く育った苗を、惜し気もなく数十本もいただき、施設をアトにしました。

もらったはいいんですが、遅霜の心配な野辺山の畑まで運んで植えてくるまでには、もう少し時間が必要です。

しかし、ホントに400キロができちゃったら、どぉやって八ヶ岳から持って帰って来るんだろぉ。。。   



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