2015年02月13日

きび餅ときび餅

きび餅ときび餅数年前に、釜平の母さんがお裾分けをしてくれたのが「きび餅」で、酒のツマミに「ウマイ、ウマイ」と言いながら、カウンターの酔っ払いたちとその独特な食感と「きび」の上品に感じる風味を味わった事を突然思い出したのが昨年末。

正月に食べる「餅」に「きび」が交ぜ込んであって、白くはなく黄色いお餅です。

お餅のように焼いて、砂糖醤油で食べるのがおいしかったと記憶しています。

きび餅ときび餅その日も釜平のカウンターで酔っ払いたちとそんな話題で盛り上がったのですが、私と同世代が若手なカウンターで、「我こそは!」と手の平の中のスマホをいじったところで検索結果にたどり着けるわけもなく、記憶に残らない時間を過ごしました。
「・・・そういえば・・・」と、また「きび餅」のことを思い出した頃には、とっくに年も明けていて、この1ヶ月余りをどれほど有意義に過ごしてきたのかも思い出せずに2月に突入してしまいました。
残すところあとたったの11ヶ月でまた新年です。
こんな早さで年は暮れていきます。
シラフの時間に思い出した以上、検索結果にたどり着いてやろう!とスマホを頼りにググッてみますが、ドコの名物なのかもわからず、検索結果に「コレだ!コレだ!」という確信も持てません。
確か、神奈川って言ってたかなぁ。。。、いやいや東北。。。?米所と言えば・・・などと、いろいろやってみるのですが、一向に目的のサイトは見つかりません。
きび餅ときび餅トライを始めて数日目。
ナニをドォやったらそうなったのか、湯河原あたりの名物である事が判明。
釜平のお客さんのお土産だったとしたら、そのあたりなら常連客の活動範囲内で、「ちょっと風変わりなお土産」として献上されても不思議ではなく、「見っけ!」と勝手に白羽の矢を立ててみます。

「元祖」だか「老舗」だか、ウチがホンモノ!的なアピールの中、「元祖」を選んでみます。

きび餅ときび餅お取り寄せもできるようなので、それでもよかったのですが、湯河原という町には未だ乗り込んだコトもなく、名高い湯河原温泉のど真ん中に位置するお店なら「行ってみっか」と、いつも通りの気まぐれドライブを決めます。
伊豆方面?箱根の辺?くらいの知識で、湯河原がどの辺にあるのかもわからないナビ任せの旅は、今に始まった事ではありませんが、私のような人間には「旅のしおり」のようなものを作って計画通りに行動するより、ナニが起こるかわからないそんな旅の方がショウに合っているような気がします。
そんな事とも知らないナビは設定された通りにマジメに案内してくれます。

きび餅ときび餅いつも思うのですが、このナビってヤツは、チャンと目的地に連れていってくれるコトは知っていますが、「コッから先は地図がありません!」ってコトはないわけで、150キロ先だろうが、300キロ先の目的地だろうが、きっと繋いで繋いで地図を張り合わせた人が居るはずだと思えば、スマホのアプリとはいえ、最新版を無料で使わせてもらえるありがたみをもっと感じなければいけないと思っています。
走行付近の飲食店やコンビニ・ガソリンスタンドまで教えてくれるのは本当に助かりますが、今回に限っては「積雪情報」がないのでビビりました。

きび餅ときび餅そりゃあ、三島あたりで箱根に向かって走っていれば、道路の上の電光掲示板に、「箱根・小田原方面 雪注意」と点滅しちゃうナマナマしい情報も目に飛び込んでくるわけで、いつも通りに「行けるトコまで行ってみるか」と楽観するにはリスキー過ぎます。
「政府はナンでオレのパスポートを取り上げないんだッ!?」と大声で言ったところで「知ったコトか!」と冷ややかに言われるのがオチなんでしょうが、せめて富士あたりで電光掲示板が教えてくれれば目的地変更の選択肢だってありました。

きび餅ときび餅それでも引き返さない私は芦ノ湖を見下ろす峠を走っていました。

芦ノ湖の向こうに見える富士山はいつも見ている角度とは違うために新鮮な上に絶景ですが、道路の両脇に除けられた真っ白な雪は、普通ならちょっと楽しくなっちゃうような高さまで積み上げられ、アップダウンとカーブの連続に景色どころではありません。

道路上に巻かれた融雪剤も、それなのか氷なのかわからなければ、息をするコトさえ忘れた自分は酸欠気味です。

きび餅ときび餅オシリ方面の穴をヒクヒクさせながら山を下り切った頃には、あちこちから湯煙がもやもやと立ち上り、なんとか無事に湯河原温泉到着です。
観光地なんでしょうが、妙な垢抜け方をするコトのナイ昔ながらの町並みにホッとします。
温泉街を走る道路も一層狭くなると、目的のお店はすぐに見つかりました。
見たところ駐車場はないらしく、狭い道路に駐車するのもナンだからと、隣の派出所の前にクルマを停め、オマワリちゃんに一声かけようと中を覗き込みますが、お留守の様子。
せいぜい4~5分のコトならばそのまま置かせてもらい、「きび餅屋」に入っていくと、年配のお姉さんが「アソコのオマワリは・・・」と、置かない方がイイ説明を聞かされます。
言われた通りにクルマを移動し、再び店内へ。
「ドコから来たの?」なんていつもの会話から始まり、「きび餅」を目指して来たイキサツを話します。

「焼いて食べればイインですよね?」
「???」
「少し炙って砂糖醤油で食べるんですよね?」
「バカ言っちゃいけないよ!焼いちゃダメダメ!そのまま食べるんだよ」と、試食をさせてくれると言います。
きび餅ときび餅店の奥から出て来たそれは、きな粉がまぶされ明らかにフワフワとしているように見えました。
楊枝に刺して口に入れる前に間違いなく「別物」だとはわかりましたが、食べてみれば黒密のかかっていない「信玄餅」、清水あたりで食べるなら「わらび餅」によく似たものでした。
で、私が欲しかった「きび餅」の説明をしてみますが、「そんなものは知らない!」とのことで、この店には一切用がないことが判明しましたが、食べちゃった以上、「間違いでした」と帰る勇気もなく、店を出る私は紙袋を下げているのでした。

きび餅ときび餅同名の「餅違い」に振り回された結末も、ちゃんと調べ直せば本当に欲しかった「きび餅」にたどりつけるわけで、その後通販で東京あたりから届いた「きび餅」は、湯河原の「きび餅」を配った先に改めてお届けさせていただきました。

届いてみれば話しは完結しますが、結局ドコの名物なのかはわからず仕舞いです。

オイシイ「きび餅」をご存知の方がいらっしゃれば教えていただければ幸いです。

ちなみに取り寄せた「きび餅」は絶品でしたよ。



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Posted by Nori at 20:29│Comments(0)ぶらり旅
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