2012年11月27日

頭皮細胞の不具合

頭皮細胞の不具合私の愉快な仲間たちの中には、ハゲたアタマをナデながら「これはカツラだ」と言い張っている先輩がいます。

「お元気ですか?お変わりありませんか?」と聞けば、アタマをナデながら「ウブゲが生えてきた」と言っちゃいますし、釜平のカウンターに一人で座っている先輩に「お一人ですか?」と聞けば家族構成を話し始めたり、股間を指差し、「ふたり」と答えるトボけた先輩です。



頭皮細胞の不具合おかげさまで私は頭皮細胞がまだ活発なようで、多くの毛はしっかりと根をはっているようです。
高校時代の友人で、今は九州方面で仕事をしているらしい「タッチャン」は当時から頭皮細胞の不具合に悩まされていた一人で、そんな事情を抱えながらもリーゼントにこだわるオトコでした。
たぶん舞子さんとか武士やお相撲さんのチョンマゲなどからヒントを得たんだと思いますが、全体的に長く育てた髪の毛を、一旦前方方向に集め、丁寧に後方へ折畳んだ上で強力スプレーで固める技術をマスターしていました。

頭皮細胞の不具合舞子さんやお相撲さんはヘアーメイクさんみたいな人たちにやってもらうのに、彼は一人で全部できます。
しかし、ヘビメタバンドやXージャパンのように人前で演奏したりするわけでもないのに、1回の整髪でスプレー1本は高校生にとっては大きな負担となります。
水気を嫌うソノ髪型は、プールの授業が天敵となりますし、シーズンを問わず日常的に「霧吹き攻撃」などを受けないために、私たちの機嫌を損ねない努力もしていたようです。

頭皮細胞の不具合細胞がそれでも活発だった高校時代は良かったのですが、卒業し、20代半ばになる頃には細胞もそろそろ疲れはじめ、高校時代に修得した折り畳み技術をもってしても絶対数が減った以上、その仕上がりは隙間だらけの格子戸のようで、全体像はキープするものの「タッチャンのアタマ、向こうが見えるな」というステージに突入して行きます。

「旭町バナナボーイズ」だと息巻いて繁華街を夜な夜な呑み歩いていた私たちは、その日も呑む約束をしていました。

頭皮細胞の不具合約束の時間となり、我が家に迎えにきたタッチャンは玄関の外で暗がりに立っていました。
「オー、行くか行くか」といつも通り合流し、歩き始めたところで私は異変に気づきました。
暗がりでシルエット上になったタッチャンのアタマの向こうが見えません。昨日のシルエットとは明らかに違います。
「あれぇ~?ボリューミーじゃん」とすべてを察した上で言うと、「絶対誰にも言うなよ!」と、私にとってナンの得にもならない約束を取り付けようとします。

返事などするわけもなく、「やっぱさぁ、3段階増毛法とかコマーシャルで言ってンだから、チョットずつ増やさないと。。。」と言うと「安くないんだよ!」と1段階で完成させてしまった理由をエラそうに言っちゃいます。

頭皮細胞の不具合しかし、これから正に夜の楽しい社交場へ向かう前に、「私のすべての疑問」を取り払っておかないと延々その話題に終始されることを悟ったタッチャンは、オモムロにヒタイの上の両面テープを剥がし、女の子たちが使うようなパッチン留めで自身の髪と連結している全貌を明らかにしてくれました。火を近づけるのも厳禁なようです。燃えたらはずせばいいのにねぇ。。。
カトちゃんたちがカブッているカツラとは違う精巧な作りに感動し、「スゲースゲー」と電車の中でも感心しきりです。

居酒屋でコバラを満たしながら「生え際はやっぱわかっちゃうよな」とか私にも感想を言う余裕が出て参りました。
そしていつものスナックへ。店内にはいつも3~4人のオネエサマたちがいて接客してくれます。

その日、私たちが一番乗りだったので、皆さん暇そう。。。
頭皮細胞の不具合しょうがないので、私はみんなを集め、「ちょっと見ててよ」と言いながら、格闘家がやるように右手の指をポキポキッと鳴らします。続いて左手の指も同様に。
「別に大したこと・・・」と言わんばかりの皆さんでしたが、「オレは指が鳴らせるじゃ~ん、タッチャンはナンとアタマが鳴らせマ~ス」と紹介すると、半べそをかきながらタッチャンは例のパッチン留めをパチッ、パチッと鳴らします。
「えーっ!どうやるの?、どうなってんの?」と食い付くオネェサマたちに何度もやらされ、華麗なるデビュー戦は装着初日にも関わらず盛り上がりました。

「言うな!って言っただろ・・・」と言うタッチャンに「正直に生きろ!」と夜のトバリは降りていきました。

頭皮細胞の不具合その後もタッチャンとのご縁は続き、香港に旅行に行った時には空港の金属探知機には反応しないこともわかりました。
大きな交通事故を起こしたタッチャンのクルマに同乗していた私は、担ぎ込まれた総合病院で頭部レントゲンの際に「あなたはアタマに金属が入っていますか?」と看護婦さんに聞かれ「ハぁ?」と言うと、「さっきの人は宇宙人に金属を埋め込まれたと言ってるんです」と。
この期に及んでまだ隠したいのかと情けない思いを感じつつ、「コナイダまではサイボーグだって言ってましたけど・・・」と看護婦さんに教えてあげました。

イタズラで海に落とされる時には必ず大切なアタマを抑えながら落ちていきますし、普通の床屋さんに行くと成長しない毛まで切られちゃう恐れがあるので、行けません。
頭皮細胞の不具合旅行では、温泉の成分が品質に支障をきたすらしく、私たちが寝静まった頃にこっそり「本人だけ」温泉に行き、アタマはお部屋で奥さんが洗ってくれる着脱可能な離れワザ。
酔うとすぐ寝ちゃうタッチャンは、顔をボリボリかきながらそのままヒタイの生え際から指先が消え、手首までアタマの中に入ってしまうオカルトワザまで仲間たちは全員知っています。

今は遠い空の下で「家の中では帽子を取れ!」と誰かに言われることもなく、ノビノビと正体を隠していることと思われます。

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