2014年07月25日

メイドのみやげ

メイドのみやげメイドのみやげ・・・と言っても、秋葉原あたりのカフェでメイドさんから何かもらってきたと言う話しではないので、ご興味のない方は無駄な時間をお過ごしにならないようご注意ください。

最近の私は分刻みの過酷な仕事をこなしながら、「息抜き」の時間さえもスケジュールに組み込まれ、やっとのことで横になった布団の中で、起きる時間をセットする有り様です。
持論通りなら、「シアワセ」とは程遠い生活に、とっくにヘコタレているはずですが、ヘコタレるタイミングすらわからず、いただいた仕事を淡々とこなす毎日です。

メイドのみやげだいぶ前の日曜日。
馴染みのお客さまに頼まれて、普通なら絶対届けないものをシッポを振って届けに行きました。
依頼主は若い女性です。若くない女性でもシッポは振ります。シッポ・・・?
お客さまの会社は安倍川沿いで、上流にはお茶で有名な川根町があります。
川根町には、以前にも大井川鉄道のSLを追っかけて訪れていますが、珍しく空白だらけのスケジュールで、息抜きの時間も決めていない晴天のこの日を逃すべきかと、特に目的もないままクルマを走らせました。
メイドのみやげこの道は、数週間前に「福養の滝」を目的地にした時に通った道ですが、分かれ道を分かれることなく川根に向かいました。
少し蒸し暑い日でしたが、新緑がまぶしく前回同様「アユ釣り師」たちが安倍川のあちらこちらで川面に糸を垂れていました。
仕事のついでとはいえ、急勾配の山道に軽自動車で来たことを後悔しますが、目的もない「ぶらり旅」では、小さな車が重宝することの方が多い気もしています。

メイドのみやげこの日もたどり着いた「千頭駅」ではSLにちなみ「きかんしゃトーマス」を本線で走らせる「トーマスフェア」を前に、入場料を払って記念撮影かナンカができるイベントが開催されていて、隣接する駐車場は満車状態でした。
わずかなスペースさえあれば停められる軽自動車なら、場所を選ばず最優先で停められます。
駐車スペース2台分をまたぐ大きなキャンピングカーの隣に駐車することができました。

メイドのみやげ駅の立ち食いソバ屋で、以前も食べたアッツアツの天玉そばを、汗をピューピュー噴き出しながらいただき、セルフサービスの水でカラダを冷やそうと試みますが、中の氷は溶け切っていて、常温水どころかお湯になっていました。
汗を拭き拭き、改札口からトーマスを覗き込みますが、ソコはちゃんと入場料を払わなければ見れない仕組みのようで、泣いて我慢することにしました。
小さな駅構内のおみやげも私の心を射止めるコトはなく、ぶらぶらと構内に貼られたポスターを眺めていると、「死ぬまでに一度は渡りたい徒歩吊り橋10に選ばれました」と寸又峡(すまたきょう)にある吊り橋のポスターに目が留まります。
メイドのみやげ「夢の吊り橋」と名付けられたその橋は、鮮やかなコバルトブルーの川だか池だかの上をまたぐ吊り橋。

何でこんな色をしてるんだか、天気のいい日のベストショットだろ!?と思いつつ、どーせどっかの観光組合かなんかが地元宣伝のために大袈裟にキャッチコピーをつけやがって・・・と、いつものチョイワルハルちゃんが囁きますが、寸又峡なら千頭駅からもそう遠くもなく、見上げる空のピーカンぶりから思えばベストショットの真偽も確かめてみるかと北上します。


メイドのみやげ看板通りに進めば迷うような道でもなく、ナビに頼ることもなく木漏れ日の落ちる山道を登るコト20分程度。
寸又峡の入口となる駐車場はやはり満車状態でした。
先に到着していたバイクの若者達が大きく手を振り、「ココココ」と指差す方向には小さなスペースがあり、難無くクルマを停めることができました。
ココまでは以前にもドライブがてら来たことがあります。
手書きで描かれた看板によれば、「夢の吊り橋」はもう少し奥にあるようです。

メイドのみやげ「登り坂か。。。」と決意し、歩を進めると「お気持ちだけでもご協力くださ〜い!」と叫んでいるおばあさんが、関所のような小屋の前で汗をかいていました。
小銭がジャラジャラと入る簡単な募金箱には、お札も何枚か入っていました。
「気持ちでイイの?」と100円玉を差し出すと、「ありがと」と「夢の吊り橋」までの地図が描かれたパンフレットをくれました。

「遠いの?」
「スグ近くよ。25分。」

メイドのみやげ「遠いなッ!」と食い気味にツッコみ、今にもニホンカモシカが出てきそうな遊歩道を歩きます。
渓谷らしく幾重にも重なる山にはいくつかの岩肌も見えますが、見下ろす景色は自分がかなり高い所にいるように感じました。
雨でも降ったのか、ぬかるむ道を不自由に歩きながら木の間からコバルトブルー(エメラルドグリーンっていうのかな)の池が見え始めます。正確には大間ダムなんだそうです。


「マジか!?」

メイドのみやげポスターで見た美しい風景はベストショットなんでしょうが、修正や合成ではなかったようです。
バスクリンでも入れたかのような湖面のブルーはホンモノでした。
もともと美しい水に微粒子が混ざることで「光の散乱現象」とやらが起こり、人間の目には青く見えるんだとか。
他の吊り橋がどんなものなのかなんて知らないクセに、世界最大級の旅行口コミサイトがまとめた「死ぬまでに渡りたい世界の徒歩吊り橋10」に選ばれるだけのコトは確かにあるな!と勝手にうなづいちゃうほど、山の中に突然浮かび上がる幻想的な景色は疲れた心を動かします。
メイドのみやげ足早に階段を下り、たどり着いた吊り橋では、「コワ〜イ〜♥」とか言って渡るのをためらうカップル達がイチャイチャしていました。
間近に見るコバルトブルーは一層美しく見えます。
定員は10名。
行楽シーズンには行列ができ、一方通行になるとか。

イチャつくカップルを追い越し、渡り始めると湖面までは8メートルで、体中のいろんな穴が閉まります。
吊り橋中央に近づくに連れ、揺れは大きくなり、両端のワイヤーを持つ手にも力が入ります。

メイドのみやげジャンプして吊り橋を揺らす子どもに錆び付いたガンを飛ばしつつ、景色を楽しむことなく足早に渡る私は「意気地なし」です。

全長90メートルを渡りきった向こう岸で、まだ揺れてるような錯覚のカラダに情けなささえ感じますが、振り返れば笑顔で渡ってくる子ども達やイヌに、その闘争心は開花し、行楽シーズンではないコノ時期にリベンジだと渡り直す決意をしてみます。
経験とはバカにできないもので、今度はさっきよりずいぶん余裕ができました。
景色を楽しみながら渡れます。

素晴らしい眺めは、私のボキャブラリーでは伝わらないと思うので、「死ぬまでには」是非渡ってみてください。
雨上がりだったり、天気の悪い日はコバルトブルーも拝めない場合もあるようなので、注意が必要みたいですよ。
静岡の山奥・・・奥深し・・・。 
メイドのみやげがひとつ増えました。           



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Posted by Nori at 21:12│Comments(2)ぶらり旅
この記事へのコメント
毎日暑い日が続きます。
お元気そうで、何よりです。
寸又峡の写真、涼しそうに見えます。
いちど訪れたいと思いつつ実現していません。
SLのトーマスを付けた機関車は、新聞などで
話題になっていましたね。子供たちも夏休みに
はいり賑わっていることでしょう。
この暑さで外出は控えています。というよりは
冷房の部屋から出られないのが本音です。
歳を重ねると、季節に合わせるのに中々体が
ついていきません。涼しい所に行きたい願望です。
寸又峡は涼しいでしょうね。
Posted by なっちゃんなっちゃん at 2014年07月26日 17:02
なっちゃんさん、こんばんは。
暑中お見舞い申し上げます。
お元気そうで!と言っていただいたそばから、体調はもうひとつです。
暑さ負けなんて、エアコンのない時代に育ったはずなのに、その後のエアコン生活に甘え続けてきた結果なのかもしれません。
寸又峡が避暑地だとは聞いたことがありませんが、私が訪れた日もちゃんと暑かったですよ。
美しい眺めだけは保証できそうです。
暑さに抵抗することなく、猛暑を乗り切ってくださいね。
秋は目の前です。
Posted by NoriNori at 2014年07月26日 19:32
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