きせつのはるにたんぼのＴＡ

今年もまた仮面ムーシならぬ、カメムシの季節がやってきました。

カブトムシでもクワガタでもないのに、どこか少年の心をくすぐるルックス。

なぜこんなカタチに生まれてきたのか、鮮やかでツヤヤカなミドリも好きな色です。

カメムシもたくさん種類があるようですが、私のトコロに来るカメムシくんは、ほぼアオクサカメムシという種類のようです。時々茶色いのも現れますが、圧倒的にミドリの生息率のほうが高いようです。

中には決して大阪市では採用してもらえないようなタトゥー入りのカメムシもいるようですが、環境に合わせた模様にちゃんと生まれてくるところがすごいと思います。

危険を感じると、カメムシくんの真骨頂であるイヤなニオイフェロモンを噴射するのですが、どうにもこのニオイのウケが悪いようで、基本的に嫌われ役としての人生を歩んでいます。

そもそも自分から近づいてきたクセに「危険を感じたら出す」って、意味もわかりません。

そこにナニがあるのか知りませんが、大きな羽音を立てて蛍光灯にカチカチぶつかりながら、たまに攻撃してきたりする行動も、自分からケンカを売ってきて「危険を感じたら出す」、大したイイガカリインネンツケヤさんです。

根拠のある勝算があって自分の何万倍もの大きさの私に向かってくるならともかく、私がアースジェットを噴射するまで、かまってもらいたい子どものようにブンブンやっているわけで、先日の「ご陽気で小粋な幽霊」同様、私たちをビビらす幽霊の皆さんの役割を十分理解した上で、この世に残した思いのタケを朝まで聞いてあげるから「先に風呂入って来ちゃえ！」みたいな関係づくりができないものかと常々思います。

お風呂で顔についた血のりもキレイに洗って、あの長い髪も切って、上目遣いのクセと、懐中電灯の明かりを自分の顔に当てるクセを直したら少しは笑顔も戻るんじゃないんでしょうか。

どんなイキサツがあるかは存じ上げませんが、腫れた目もちゃんと病院で治して、白い三角の帽子も、カチューシャに変えて思いきったイメチェンをしてみたら、夏空の下、ジャスコあたりに買い物に行ってみる気になるかも知れません。

言っていただければお盆の時期には「初！自分のお墓に墓参りツアー～私は元気です～」なんてのも格安で企画しますし。

というわけで、私は帰宅する際、オフィスの戸締まりが終わると、オフィス内にアースジェットを散布して帰ります。

トリガーノズルのおかげで遠くまで散布できます。

翌朝、アース製薬さんの技術力と、私の根気強く実直な散布力をあなどった仮面ムーシのみなさんは、自分の愚かさと、この世に残した思いを胸に旅立たれています。

先日、何匹か拾いゴミ箱に安置しました。

もはや危険を感じることなくアースジェットの成分に敗れた仮面ムーシくんたちはアノニオイを出すことはありません。


窓を開け、オフィス内に新鮮な空気を取り込みながら朝の準備を進めていると、何やら口の中がピリピリします。

仮面ムーシくんを素手で拾い上げてしまった私は、何気なくその手で口を触ってしまったようです。

ネットで調べてみると、やはり彼らが原因で間違いないようです。舌べらがしびれるカンジは特徴的な症状らしいです。

まだ息があったのか？それとも息を引き取ったアトも土に還るまでの間も自分を守り続けるバリアかなんかがあるのでしょうか？

各地でカメムシ対策に人間が知恵を絞っているようですが、異常発生をなぜか謝る人もいらっしゃるようで、彼らのヤンチャな無法ぶりに人間側が謝る事態にまで発展しています。

確かにガムテープを使っていれば私が受けたダメージは阻止できたに違いありません。



思い掛けない攻撃に、彼らの何万倍もの大きさをもつ私は、半日ほど確実で適格なダメージを与えられてしまいました。

見くびるなかれ！仮面ムーシ！

今日も彼らとの闘いは続きます。


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