2014年02月19日
順位のない競争

テニスはソチとは関係ないんですか?ニシコリくんも好成績だったらしいくらいは知っています。
あ、マーくんがキャンプインしたことも・・・。
ムスメたちが小学校の頃はもォそんなカンジだったような気もしますが、いつからか学校の運動会で順位をつけることを放棄して久しいんだと思います。

私達の頃はクラス対抗リレーでクラス選抜に選ばれることこそがオトコの勲章で、持久走大会や記録大会なんかで好成績を残せるかどうかが、モテるかモテないかの境目になっていたような風潮もあり、サッカー部だろうが水泳部だろうがモテたいためのにわかアスリートたちがギラギラしている時代でもありました。

昔話で聞かされた「ウサギとカメ」の有名な競争も、チカラがあっても発揮しなければ勝負には勝てないとか、相手を見くびってはイケナイ的なイマシメのような物語ですが、向こう岸まで川を渡る競技だったらカメが負けてたかもと、負けても負けない負けず嫌いばかりでしたから、順位がつかない競争なら、お持ち帰りができないキャバクラだと思う中学生はいなかったにしろ、勝利への執着心には結びつかなかったはずです。
運動会ばかりか、学校の成績も似たように扱われているらしく、私のように「またビリ」だと廊下に貼り出されれば、自身の身の丈を知り、エライ人に対する謙虚さや、自分に不利に働く事柄に対し聞く耳も養われたんだと思います。
誰が一番だかわからない運動会を経験してきた若者達には、アスリートたちの熾烈な争いはどんなふうに映っているんでしょうか。

金メダル獲得の期待の大きな選手がメダルを取れなかった瞬間、「よくやった!頑張った!次がある!」なんて取り上げ方をされるのは、順位をつけない風潮の延長線上にあるモノなんでしょうか。
最近話題になる「楽しんできます」発言も、流行言葉のように選手たちは口にしますが、「緊張しないで練習通りに頑張ります」と素直に言えばイイのに、「負けても楽しめた」に通ずる言い訳を先に聞いているようでなりません。

どんなに小さなケガでも選手生命を絶たれたアスリートは少なくないはずです。
Jリーガーだった友人も、足が痛いなんてフロントに言ったら即戦力外通告をされちゃうから、痛くない蹴り方を修得するんだと現役時代によく言っていました。

なぜ順位をつけなくなったのかのイキサツは知りませんが、ガキ大将から先輩後輩の優劣や、弱い子を守り、仲間を大切にすることを教わったのも、ある意味では順位だったのかも知れません。
「順位」と言えば語弊があるかも知れませんが、先般の雪害で孤立する地域の共助の中には、若い世代が独り暮らしの高齢者の心配をしているなんていうのも、みんなが同等のレベルでないことを知っているからなのかも知れません。

順位のない空間で育った諸君が、能力主義と言われるようになった社会に出た時、競争の意味や方法がわかるようにしないと、バーゲンセールで我れ先に!と、商品をグチャグチャにして引っ張り合う人達や、他人のコトは考えずに商品をゴッソリ抱え込んで他の場所でゆっくりチョイスする人達はいなくならないのかも知れません。
Posted by Nori at 16:23│Comments(0)
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