きせつのはるにたんぼのＴＡ

恋愛というモノは若者たちのものだと思っていましたが、高齢者だらけの日本でもその限りではなくなったようで、デイサービスなどの通所施設や高齢者施設の中でもアバンチュールな駆け引きは行われているんだと、先日仕事でお世話になった高齢者施設の職員さんが教えてくれました。
「恋に落ちるのは重力のせいじゃない・・・」と言った人もいますが、皆さんお元気でナニよりです。

先日いつもの居酒屋で、たまたま横に座ったよく見る顔の女性と話す機会がありました。

素性はよくわかりませんが、彼女は独身で、歳は４０代半ばくらいに見えます。
呑み屋のカウンターなので、変にかしこまる必要もなく他愛もない会話をするだけです。

「・・・はるさんさぁ。。。浮気ってドォなったら浮気だと思う。。。？」
「！！！」

このキーワードには、言われなき疑いや悪質な密告により苦しめられてきた経験をもつ私としては「コッチが聞きたい」疑問であり、たまたまであろうが、恋愛感情がなかろぉが、こぉして隣同士で独身女性と話していることさえ、既に「地雷原」に足を踏み入れているかもしれない緊張感を叩き込まれた私にとっては紛れもない難問です。

彼女は、同じ職場で働く独身オトコとのナンでもない会話の中で、休日の過ごし方や好きな食べ物なんかを深い意味もなく話していたと言います。
いわゆる普通の会話です。
お互いがお互いを意識しているわけでもなく、やっぱりいつも通りの会話をしていたある日、「イタリアン食べに行こうよ」と誘われました。
流れ上、「いいよ」と快諾したようですが、彼女には長年おつき合いをしている彼氏が存在します。

で、会社の独身オトコとふたりで食事に行ったら「浮気罪」が適用されるかどうかと言う相談です。
私達がこぉして何の感情もなくしゃべっているのと何も変わらないシーンを想像すれば、「自分の胸に聞け」と終わるのですが、誘い了解され、いろんなモノをふくらませながら、ふたりっきりで食事をする約束の日を楽しみにしちゃってるかもしれない独身オトコと、たまたま彼女の横に座っただけの私とはちょっと違うと思いました。

下劣な私がその独身オトコと同じ立場なら、彼女に合う前にはお風呂に入り、軽く香水もつけて、ポケットの中にはプレゼントを忍ばせるのかも知れません。
御馳走できるだけの「諭吉」を財布に詰め込み、いくつかのジョークも用意しちゃうかもです。
数ある飲食店の中から吉野家でもつぼ八でもなく「イタリアン」を選んだと言うのも、敵は妙な工作を目論んでいる可能性もあります。

「イタリアン」なんて「ジョリーパスタ」くらいしか思い浮かびませんが、まさかファミレスまがいのそういう店を「イタリアン」と呼ぶはずもなく怪しさ満載です。

もちろん彼女には微塵の恋愛感情もないようで、「そんなことあるわけがない」と楽観的ですが、酒の入った男女がどうなっちゃうかなんて約束できないから裁判所も忙しいワケで。。。

許容範囲も様々でしょうし、私に名答などあるはずもありませんが、「彼氏に言えないことが発生した段階で浮気かな・・・当日だろうが、前日だろうが・・・」と答えてみました。

「そっか。。。」と、破天荒な私からのもっと違う答えを期待していたのか、スッキリしないご様子。

同僚と２人で食事をすることを伝えた上で、当日彼氏に送り迎えをしてもらうとか、対策もありそうですが、彼氏に後ろめたい気持ちがあるからこそ、たまたま隣に座った私ごときだろうが、誰かに相談している段階で、すでに揺れ動く乙女心は「浮気」なのかもしれません。
独身オトコから誘われた時に、「彼氏に怒られちゃうぅ～！」って言えばよかっただけのコトです。

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