2014年01月04日

ひじ神様

ひじ神様「♪腕の骨をつなぐ間接
ひ〜じ、ひ〜じ
ひ〜じが無ければ腕が回らぬ
ひ〜じ、ひ〜じ
ハァ、ありがたや〜ありがたや〜♪」

ヒザ神様もいるようですが、年末の漫才番組を見て以来、耳から離れずナニをしていてもあのメロディーがアタマの中で奏でられています。


ひじ神様年末年始のテレビ番組に「お笑い」が多用されるのは、「笑う門には・・・」ってコトなんでしょうが、予算の少ないテレビ局が、安く使える「お笑いタレント」で、賑やかに時間を繋ぐというのがホントのところのようです。
再放送の番組が多いのもどうやらソンナとこらしいです。

私はヒジが不自由です。
8年前・・・、年が明けたから9年になるんでしょうか。
ひじ神様ちょうど今頃。
休暇をとって八ヶ岳にいました。
一面銀世界の野辺山あたりでは、元々見どころ満載の場所でもないので、ホテルから出たところでナニもやることもなく、ただただ流れる時間の中に身を置くだけの、ある意味ホントの休暇を過ごしていました。
予定も計画もない一人旅で、敷地の中に住み着いたシカの群れを探したり、意味もなく降り積もった雪を、物珍しくガサガサと踏み締めながらウサギや小動物の足跡を追う以外は、いつもの居酒屋を往復するだけの数日間で、ホテルに戻って意地汚くまたラウンジでグラスを傾けていれば、敷地内に別荘を持つ富裕層の皆さんが、人恋しくて「よっ!」っと手を上げながら現れれば、やっと人間らしい会話も成立し、顔見知りの皆さんと無駄に盛り上がった挙げ句、「じゃぁ、明日もココで呑んじゃおォ!」と、破ったところでナンの問題もない約束をしてしまい、翌日の夜まではまたひとりぼっちで。。。

ひじ神様「ヒマ過ぎますよね。この町。住んでる人達は一体ナニをして過ごしてるんでしょうか?」
暇を持て余す私の独り言のような愚痴を聞きながら、居酒屋のマスターがぽつりと「スキーでもやったらいい」と町の中にいくつもあるスキー場で過ごすことを勧めます。

若かりし頃、車屋ケンチャンたちに連れられて何度かスキーには行ったことがありますが、足にくっついた2枚の板がどうにも上手にコントロールできず、恐れを知らない若者は、みんなにならってリフトに乗っちゃうものの、勇気と技術のバランスが噛み合わず、結局高い山の上から直滑降で滑り落ち、ゴロゴロ転がりながらアザだらけになった経験があるだけです。

ひじ神様「私をスキーに連れてって」なんて映画もありましたが、「2度と連れてかないで」と思っていた私が40の手習いを始めたところで、雪の上を滑る楽しみにたどり着けるかどうか・・・とマスターに言えば、「1枚ならなんとかなるでしょ」と、スノーボードへのチャレンジを促します。

「なるほど」

早速翌朝一番で、マスターの居酒屋から5分ほどのスキー場に到着し、ズブの素人は何でも貸してくれルスキー場で取りあえずカッコだけは、スノーボーダーに変身しました。
マスターの言い付けで、「ちゃんとならった方がいい」と言うので、マンツーマンのレッスンコースをお願いしました。

ひじ神様私のコーチは、全国大会にも出ちゃてるという美人先生で、モチベーションも上がれば上達間違いなしの予感です。
一番大事なんですよ♥と、転び方や止まり方を教わり、右ターン・左ターン、スラロームと、ゲレンデの一番下の方で降りたり昇ったりしながら数時間マジメに教わりました。
みるみる?上達したところで、「もぉ、滑れますよ、案ずるより産むが易しデスよ♥」と、素敵な笑顔にダマされて一緒にリフトに乗っちゃうものの、さっきまで練習していた場所がどんどん小さくなっていくと、リフトは終点に着き、生まれたての赤ちゃん鹿のように足をプルプルさせちゃいながらリフトから追い出されます。

ひじ神様眼下に広がる野辺山の町を見下ろしながら、どうにも第一歩を踏み出すことができません。
センセは颯爽と降りていき、100メートルほど先で振り返りながら「ココまで来て♥」と手招きします。
ハダカでいてくれれば、頑張れそうですが、ガッツリ着込んだ彼女では私の「ヤル気スイッチ」も故障気味で、やっぱり生まれたての鹿のように恐る恐る滑り落ちていきます。
根気強く教えてくれる彼女に応えたいと思う気持ちはあるのですが、昔のように転げ落ちる勇気もなく、何となく滑れるようになるまで、半日ほどかかってしまいました。

ひじ神様「アトは慣れです」とレッスン終了!

放り出された私は、スーッとリフトで運ばれては、ヨチヨチと降りてくるのを繰り返します。
2時間半で行けちゃう野辺山には、ウェアから板まで一式買い込んで、カラダが覚えるまでは日帰りながら毎週通っていました。
上手とは言えないものの、恐怖心も消え、なんとか初心者程度にまで成長し、数年経った3月。
いつものように滑っていたのですが、その日のゲレンデはアイスバーン状になっていました。

ひじ神様で、いつものように転んだところで、「L」にしか曲らないはずの左ひじが「T」になっていることに気づきます。
転び方が悪く、どうやらヒジの部分が抜けてしまったようです。

左手首を両ヒザではさんで、グーッとひっぱり、無事修復完了。指も動くし、痛みもさほどではありません。
気を取り直して手をつきながら立ち上がろうとすると、またグキッと抜けてしまいます。

ひじ神様何度やっても抜けちゃう腕に「壊れちゃったのか。。。」と、板をかつぎ、歩いて下山します。
救護所で診てもらうと、腕はちゃんとハマってるので大丈夫!と、湿布をしてもらうものの、「念のために近くの病院を紹介します」と、ちゃんと診てもらうよう勧められました。
レントゲン写真を見ながら先生は「あー、ダメですねぇ。部品が飛んじゃってますよ。
すぐ手術です」と、指も動くし、腕も曲るのに「冗談でショ?」という診断を下します。

ひじ神様大きな病院じゃないと無理な手術だと言いますが、1週間ほどの入院が必要だと言われれば、長野あたりにそんなに長く縛られる理由もなく、「清水に帰るなら急いだ方がイイ、腫れて動かなくなる前に」と、やっぱり緊急事態らしいデス。
途中のサービスエリアで氷をもらって冷やす頃には、腫れも痛みもマックスで、たどり着いた清水の病院で、全身麻酔の上の手術を受けました。
翌朝、目が覚めると何やらいろいろチューブでつながれ、大事なムスコにも管が通され、オシッコも自由自在なカラダになっていました。
半年以上もリハビリ通院をしましたが、現在も腕はまっすぐ伸びません。
腕がそれらしく稼動するためのビスも入ったままです。
それ以来、危険なスポーツも行動も制限されています。

どちらさまも「ひじ神様」を大切になさってください。
カラダがチャンと動くことってホントに大切なんだと、低気圧が近づき、腕がウズくたびに思います。

ハァ、ありがたや〜ありがたや〜



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Posted by Nori at 18:23│Comments(0)独り言
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