きせつのはるにたんぼのＴＡ

クリスマスを楽しむ人達に何の異論もありませんが、そもそも世界３大宗教がある中で、キリストの誕生を祝う日に由来しているのであれば、それより先輩のお釈迦さまの誕生日を「メリーシャーキマス！」とか言って（仏教だからメリーシャーキナムかなぁ。。。それとも漢字？）、同じくらい祝わない理由もよくわかりません。

地方によっては「はなまつり」などと称してお釈迦さまの誕生日に花を添える行事も行われているようですが、クリスマスの知名度の比ではありません。

そもそもクリスマス自体に諸説があり、その歴史をひも解けばハッピーだ、メリーだと手放しで浮つくこともできなさそうですが、「木を見て森を見ず」というよりは「森を見て木を見ず」というか、最近たびたび論じられる隣国とのトラブルの原因とも言える「歴史問題」然りで、私も含め、どれだけの人が日本の歴史を語ることができ、その上で隣国を批難したり中傷しているのかも定かではありません。
しかし、たとえ他国の文化であろうが、イイモノを学び自分の環境に取り入れることは決して悪いことだとは思いませんが、この国の住人は、みんながやってる楽しそうな部分にだけ飛びつき、本来の意味や背景にある文化などには目を向けることさえしないように感じます。

最近では少し変わってきたようですが、「お菓子業界の戦略だよ」とわかっているのに、バレンタインデーにはチョコレートがクローズアップされ、ブランドチョコばかりでなく、手作りチョコに高付加価値を感じる女子たちに、男子はともかくオッサンたちも浮き足立って「気もそぞろ」です。
「コンビニの戦略だよ」とわかっているのに、黙って「恵方巻き」を食べるのも同じでしょう。
黒い顔で目の周りを白く塗った「ヤマンバ」が人間界に現れれば、インフルエンザ以上の感染力で日本中がヤマンバだらけになり、「たまごっち」が品切れ状態になれば、普段はやらない人達までがパチンコホールに押し掛け、慣れない銀玉を目で追い、目玉景品のたまごっちを目指したこともありました。
原発ゼロを支持しながら、かなりの消費電力だと思われる各地のイルミネーション点灯式が話題になり、多くの人達が列を作って押し寄せるのに、電力会社の値上げには賛成ではないようです。

私は読んでいませんが、３０万部以上を売り上げ、ベストセラーとなったオレ流を掲げる落合博満氏の「采配」では采配をテーマに、リーダーの心得や部下の育て方を中心に、独自の持論を貫き、そのスタイルを確立することで新しいカタチを作っていくコトが書かれているように聞きますが、おそらく本を買うことに意味があって、内容がどうこうではないんでしょう。
みんなが買うからオレも買うというのであれば「采配」の内容とは真逆な話です。
かの村上氏の久々の出版に行列を作る人たちの中には、単なる話題に乗っただけって人も少なくないんでしょう。

そんな迎合的な国民に対してアノ手コノ手の企業も、ヒット商品の生産遅れを「生産が間に合わなくてゴメンナサイ！」ではなく、「生産を一時停止しております」と、新たな手口で消費者をおあることを覚えたようで、「半年先まで予約待ち」と言ってる間に、飽きられたりキャンセルされてしまうことを避ける方法を見つけています。

横並びであることに安心できる文化が「出る杭は打たれる」ことを積極的に避けてきた結果がこうした「みんなおんなじ」じゃないと不安になる文化を作り出してきたのだとしたら、敢えて「みんなと違う」道をできるだけ選んできた私も、そろそろ降参して「みんなとおんなじ」道に路線変更した方がラクなんじゃないか？と思うようになった気がします。

「みんなと違う」方がラクだと思ってきたんですけどね。


ー追記ー
４１年間連載してきた水島新司氏の「あぶさん」の連載が終了するらしいです。
水島新司と聞けば、私たちの世代は「ドカベン」や「野球狂の詩」の方が馴染みがありますが、「あぶさん」は根強いファンも多く、４１年もの間、愛され続けた漫画のようです。
実在するプロ野球選手たちと多くの試合を経て、架空のプロ野球選手としては異例の「福岡ソフトバンクホークス背番号９０景浦安武 引退セレモニー」が開催されたほどで、その絶大なる人気振りがうかがえます。
主人公の景浦安武の名言がいくつもありますが、「ドカベン」や「野球狂の詩」などで私たちに影響を与えた水島新司氏ならではの思いに共感できます。
景浦安武はこんなことをつぶやいていました。

「酒造りでもそうだと思う。人がどんな味を喜ぶかと考える前に、自分の好きな味を作ることが出発点だ。...だからこそいろいろな味の数多い酒が、それぞれの役割を果たして買われていくんです。野球も受験も同じです。自分のペースを守って勝負しなきゃダメだ」
「まず自分自身を信じよう。人を信じるのはそのアトだ」
景浦安武