きせつのはるにたんぼのＴＡ

ポールマッカートニーの東京ドーム公演に行ってきたと、５８歳のタッキーさんが熱く話してくれました。

私達の世代はビートルズのドンピシャ世代ではありませんが、友達によっては日々の小遣いをビートルズのアルバムにつぎ込んでいましたし、もっとマニアックな人達は市内にも何軒もなかった洋盤屋でライブを
盗み撮りした海賊版なんかも収集していました。

今でもそんな世界は存在するんでしょうか。

今回のポールのライブではスマホだかケータイに限り撮影がオッケーだったことが話題になると、たちまちネット上にはステージしか映っていないような小さなポールの写真が拡散され、常識のナイ撮影方法をめぐり、後方のファンのみなさんから苦情も出ているようです。

ポールのライブに行ってきたと言っているのは私の周辺ではタッキーさんだけで、旅行会社を通して購入したチケットは本来の購入価格よりも５千円ほど高かったようです。
ネットオークションでは数十万円で取り引きされていたとも聞きますから、案外良心的な値段で購入できたと、素晴らしい仕上がりのライブに御満足されています。
しかし、静岡から東京ドームを目指す方法はいくつもあるのですが、３時間ほどのライブを見終わってから新幹線で帰ってくるには時間的な余裕もなく、東京行きの高速バスで３時間近く揺られ、興奮覚めやらぬまま静岡に到着したのは午前２時過ぎだと聞けば、「イイモノ」を見るためにはお金も時間も並々ならぬ努力も必要なんだと感じます。

ライブ会場では年配のファンの姿の方が多く見られたようで、偉大なる７１歳のパフォーマンスは先輩たちのハートを当時と変わらず射止めたようです。

タッキーさんは「もう一回は必ず来るな。。。」と根拠のない予言をして楽しみにしていましたが、隣で聞いていたモモちゃんもユウちゃんもビートルズの存在すら知らなくて、鼻歌で歌ってみせるタッキーさんのヘイジュードもイエスタデーも知らないとなれば、その価値の差は歴然です?誰かが大事にしているモノの価値がわからなければ、そのモノに何の意味もなく、法隆寺の壁を削って落書きしちゃうアホもコトの重大さなんてわからないんでしょう。
世界遺産になって大騒ぎした富士山も、いろんな団体や個人が一生懸命ゴミを拾い集めても拾うゴミがゼロにはならないのが現実です。

捨てる神ありゃ拾う神あり・・・。

神様の気まぐれはともかく、全員が拾える人にならないと、アチコチで沸き上がる大事に思えるシュプレヒコールも誰かの心には届かないんでしょうし、偏った一部の人達のお祭り騒ぎだと一蹴されてしまうのもわからないでもありません。
どんなに反対しようが消費税は上がるんでしょうし、ナニを焦っているのか強行採決もネジれていない国会なら賛成多数で立法されます。
誰にも気づかれないまま２４億円ものカネが銀座やタイの女性を喜ばせていたり、私は絶対に借りられない５０００万円ものカネが、実印のないメモ書きでバッグに納められ受け渡される。

話題の食品偽装も、全国のホテルや旅館がやっていることだと、ラーメンやの週刊誌が取り上げていましたが、私の仲間の中には「年末年始のカキイレドキに自白するバカはいなくて、年が開けてほとぼりが覚めた頃に既に改善済みですが。。。といってお茶を濁すんだろう」と言っている人もいます。

いろんなことに困って覚悟を決めようとしている人達の「命」の重さなんて考えたこともない人達が、一流の立場の中で、釈然としない行動を堂々としているように思えると、自分の些細なマジメさにイラ立ちます。
価値観の違いと言ってしまえば、それまでですが、報道されているようなことがまかり通っているのであれば、隣国の民度をおもしろおかしくばかりも言えないような気がします。
さすがの私も「マスター、この芝えびホンモノ？」と聞く勇気はありませんが、一生懸命頑張っている人達がバカを見る世の中になってしまったのかも知れません。