2013年09月19日

ケンカ両成敗

ケンカ両成敗動物を入れないでください。-電子レンジ-
ヤケドをする恐れがあります。-ファストフード店のコーヒー-

「訴訟社会」と言われるアメリカの判例に沿ったものだと語り継がれ、常識とは掛け離れているようにも見えるのに、取り扱い説明書や注意書きなどに書かれているらしい神話のような話しは、事実に基づくものと言う人もいれば、そうでないと言う人もいてよくわかりませんが、有名な話しではあります。
アメリカでは裁判所の敷き居の低さから「まさか!」と思えるような訴訟がアトを絶たないのだと解説する人ケンカ両成敗もいますが、子どもの頃に嫌なことをする相手に「訴えてやる!」と言いつつも、そんなことになるはずもない小さなイサカイはおろか、もう少し大人になって多少深刻に感じられるトラブルに関わった際にも、裁判所でシロクロつけてもらうようなことになった覚えはありません。

私たちが経験するトラブルなど、親切な友人や知人がアイダを取り持てばなんとかなる程度のモノだったのかも知れません。

ケンカ両成敗東日本大震災の津波で幼稚園バスが流され、その後死亡した園児5人のうち、4人の遺族が「安全配慮を怠った」として園を相手に2億7千万円を求めた訴訟で、地方裁判所は園側に1億8千万円の賠償を命じる判決を言い渡したと数日前のニュースで知りました。

関係者同志の話しなので、外野がとやかく言う話しではありませんが、亡くなった5人の園児のうち、4人の遺族ってどういうことなのか?
訴訟に参加しなかったご遺族がいることを不思議に感じました。

ココから先は私意の域であることをお断りした上で、当事者達の真意とは掛け離れているかもしれない前提で書き進めてみます。

ケンカ両成敗私の認識では、裁判は真実を求める場で、必ずしも金銭的な解決をする場ではないと思っています。
それでも損害を被っているのなら、損害賠償なども付帯事項として議論の対象になるのかも知れません。
自分の幼少期にさかのぼってみると、トラブルのほとんどは同年代の友人たちとのケンカに始まり、傷をつけただ、つけられたのだと言う場面くらいしか思いつきませんが、万一「血」を出すようなレベルに達した段階で、和解の末、親が「菓子折り」片手相手の家に出向き、謝罪した上で必要に応じて医療費などの金銭的な話しをしてノーサイドとしてきたように思います。

ケンカ両成敗グズグズとコじれた覚えもありませんが、相手の家柄や町の評判などによっては「もぉ、あの子と遊んじゃダメ!」などと言われたこともありますが、ソコは子どものコト、「ケンカするほど仲がいい」と「仲良くケンカ」することを選んできたような気がします。
当時は地域活動も盛んで、親同士のつながりも太く強かったので、家に呑みに集まった大人達の中には、ケンカ相手の親も居て「オマエのパンチ、効いたって言ってたぞ」なんてみんなの前で言われれば「食らったパンチ」の跡をさすりながら自粛を誓うこともありました。
でもそれで終わりです。

ケンカ両成敗1万人以上が亡くなってしまった津波と言う、自然災害に巻き込まれて不運にも幼稚園バスに乗っていた子ども達の命が失われたことは悲しいことです。
親御さんの心の痛みも尋常ではないでしょう。
シロクロつけなきゃいけない法定の場で、もしかしたら園側は大津波を予見できたはずかもしれないし、園にあるという防災マニュアルの共有ができていなかったことは避けることができたことなのかも知れません。

ケンカ両成敗しかし、あくまでも私意に基づいて考えれば、これは園側にだけ責任があったとは言い切れないような事例かもしれないと感じています。
当該地区は日常から津波の危険のある町だったとしたら、日常的な避難訓練や防災対策に積極的に関わらなかった親の責任は無視されているように思います。
今の世の中、親達が騒げば園も敏感に反応したでしょうし、共有できていなかったと言われる「防災マニュアル」も引っぱりだして不備がないかどうかと確認もできたでしょう。

「保護者会」は、そういうことにクチを出せる組織だと認識しています。

ケンカ両成敗みんなで守れた命だったような気がしますが、裁判所は「シロ」と「クロ」を判断しました。
「こっちはカネを出してんだからアトはオマエらの責任」と、言ってしまうような風潮は私の周囲にも存在します。

冒頭に書いた「取り扱い説明書」の話しも、決して難しい話しではないはずなのに、カネを払ったユーザーは、「取説に書いてないじゃないか!」と言い、億万長者になったと言われています。
どちらにも「非」があることを認め、その上で両者が落としどころを探るために話し合うのではなく、端から「この責任をドォ取ってくれるんだ!」と言わんばかりの争いを「喧嘩両成敗」と言ってきた日本人も「金銭解決ありき」みたいになってくると、そりゃぁモンスターペアレント達もヤリたい放題だろうなと想像がつきます。

ケンカ両成敗「ムスコが自殺したのは学校の責任」で、「イジメ」が原因なら一緒に暮らしていた親がなぜ気付けなかったのかという話しや、中学生の女子が夜中にウロウロしていて殺されちゃったのに、親の責任が問われることなく、やはり犯人や街灯の少ない自治体に向いてしまう話しにも結びつきます。


ケンカ両成敗「安全配慮義務違反」とされた今回の訴訟で決定された金額の内訳は定かではありませんが、敵と味方に分かれ、お母さん達は一人当り7千万円の損害賠償の請求をし、園側にはおよそ4500万円(総額およそ1億8千万円)の支払い命令が下されました。
それで、子どもを失った親御さんの心の傷は本当に癒されるんでしょうか。
想像をはるかに超えた自然の猛威を背景に、正常以上の判断を求められた園は本当に「罪」だったんでしょうか。

ケンカ両成敗命に値段をつけたのか、心の傷みに値段をつけたのか、今は亡き子どもの命を前に、ナニを基準に算出された損害賠償なのかはわかりませんが、「最愛のわが子の犠牲を次世代への教訓に」とコメントしたお母さんたちは、手に入れたおよそ1億8千万円ものオカネを防災道路の整備や、園児を津波から守るための幼稚園の環境整備に使うとは思えません。

何のためのオカネなのか私にはまったくわかりません。


ケンカ両成敗悲しい事故に合掌しつつ、結末が悲しく見えることにナニかが違うように感じます。
不慮の事故に備え、子ども達を丸投げされた幼稚園などの施設が、2億円近い損害賠償金にも備えなければならないとしたら、待機児童ゼロを目指し、施設の増設を目指す自治体や協力者にとっても足を引っ張られる「教訓」とならなければいいのですが。。。
いざ、災害が発生しても誘導の仕方によっては「罪」を問われてしまう世の中。
中国人は道に少女が倒れていても、妙なトラブルに巻き込まれるのを避けるために助けたり手を出さないことがニュースになったとき、多くの日本人は「ありえない」「信じられない!」と言っていました。
しかし、日本でももしかしたら同じようなことが起こるのかもしれません。
とても残念なことです。

控訴してもしなくても辛い立場になってしまうであろう園側の今後の対応に注目したいと思います。

弁護士さんの報酬も気になりますが、「勝つ」ためだけの弁護士さんでないことを信じたいと思います。



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Posted by Nori at 13:18│Comments(0)独り言
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