2013年01月08日

レンタルフレンド

レンタルフレンド子どもの”お見合い”を実現させる前段階の「親同士のお見合い」があったり、新婚旅行に親が同伴するなど、たいていのコトには驚けなくなった時代だと言えますが、最近では「友達」を貸し出してくれる「レンタルフレンド」という友達代行サービスがあるようです。
知らぬが仏とは言いますが、知ってしまった不幸というか、一体どうなってるのかと話しを聞き進めれば、ディズニーランドには行きたいが、一人で行くのは嫌だし、誰かを誘って断られるのも辛いという理由で、女性2人を3万円ほどでレンタルしてもらい、夢の国ばかりではなく、食事に行ったり、買い物に付き合ってもらうといったもののようです。

レンタルフレンド無条件に受け入れてもらえる安心感や、孤独でないことの確認が理由だと聞けば、若かりし頃に先輩たちが連れていってくれた「洗ってくれるお風呂」を思い出しますが、私たちが払った2万円前後の代金は、友達以上の関係を求めたもので、友達のフリをしてくれる人に同じような代金を支払うことなど想像もできません。
拘束時間がどのくらいなのかなど、詳しいことはさておき、数万円も支払って数時間一緒にいたら仲良くなれるんじゃないかと素朴に思うのですが、私を洗ってくれたオネエサマ方が口を揃えておっしゃられていたように、「心までは売らない」みたいな暗黙の壁が存在しているとでもいうのでしょうか。
それとも追加料金を払えば恋人コースに変更することができたりするのでしょうか。

レンタルフレンド一般的に若者とケータイ、若者とインターネット、などと連想できるように、見えない相手とのコミュニケーションに長けていると思われる若者たちが、何に戸惑い、声を出せないのか、わかりません。
ポケベルやケータイの出現で長い単語をコツコツ打つよりも、FOR YOUを4Uと2文字で表現し、バーベキューをBBQと3文字で表現できる若者たちの能力はスゴイと思いますし、作られた略語が一人歩きすれば、我々オジサンたちの世界でも知らないと恥ずかしい言葉となり、「くりぼっち(クリスマスにひとりぼっち)」と年末に覚えれば、「釜ぼっち(釜平でひとりぼっち)」「ダルぼっち(達磨でひとりぼっち)」、最新は「シルぼっち(シルバーウイングでひとりぼっち)」と、姿を変えながらコミュニケーションを取るための武器にすることもできるのに、オカネを払って友達を借りる必要が本当にあるのかと不思議です。

レンタルフレンド「友達100人できるかな」と歌った私の小学校時代に目盛りを合わせれば、引っ込み思案で勇気もなくて友達がひとりもできなかったという人がいた記憶はありません。
しかし、若者と呼ばれるまでに何があったかわかりませんし、友達を作るのが苦手だと言うカミングアウトもアリなんだと思います。
トラウマみたいなものに羽交い締めになっている人もいるのかも知れません。

悩み苦しんでいる若者がいるからこそ生まれた仕組みなんだと思いますが、それでも残念です。

レンタルフレンド先日来社されたお客さまがおっしゃっていました。
「今の若者は殴られないし、怒られない。ケンカもしなければケガもしない。だから痛みも辛いことも経験しない。イイコトとワルイコトの区別がないんです。イイコトだらけの中にいたらワルイコトが何だかわからないんですよ。」

PTAのお仕事もされているその方は続けます。

レンタルフレンド「スイッチを入れれば自分の思い通りになる分身を手の中で操り、叩きのめされても痛くもない。オカネを払って前進するための武器を買って、飽きたらやめる。習い事に行くクルマの中で夕飯を食べ、帰ってきたら、さっさと宿題やって寝る・・・。
ね、しゃべらなくてもいろんなことが終わっちゃうでしょ?」と。

全員がそうだとは思いませんが、なんとなく理解はできるような気がします。

レンタルフレンド核家族化した上に、ひとりひとりに部屋があるのも孤立化・孤独化を生んでいて、コミュニケーションから遠い位置に子どもたちはいるのだともおっしゃっていました。
こぉなったら、2世代以上の同居家族には税金優遇措置の検討を始めてみますか。

サービスに異論はありませんが、学校の先生を目指す若者たちが「レンタルフレンド」の常連でないことを願うばかりです。





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Posted by Nori at 09:26│Comments(2)独り言
この記事へのコメント
はじめまして。
いつも楽しく拝見させていただいております。
悲しいお話ですね。
悲しすぎます。
レンタルフレンドなんてそんな商売があるなんて。

・・・時代なんですね・・・

心は買えないけど
お金があれば
友達も身体だけの恋人も
なんでも買える。

心を通じ合うことがわずらわしく面倒なんだから
気軽さがウケるんでしょうか。
悲し・・・
Posted by 3歩目のニワトリ at 2013年01月08日 10:02
3歩目のニワトリさん。コメントありがとうございます。
悲しいですね。確かにその言葉が私の気持ちに近いのかもしれません。
私たちはすっかり慣れて?しまいましたが、よくよく考えてみると、一人暮らしのお年寄りがお金を払って介護してもらったり、身の回りの世話をしてもらうのが当たり前の時代でもあります。
さまざまな事情はあるかと思いますが、一人暮らしのお年寄り全員が子宝に恵まれなかったとは思えません。
全員が親戚もなく孤立していると言うことも考えにくいです。
これまでは家族が支えてきたものを、お金を払って他人に代行してもらう・・・。
そんな時代です。
”孤独死”・・・。
残念ですが、そんな言葉さえ受け入れられています。
介護師が不足しているとか、介護現場の環境改善などもニュースになりますし、死後数週間で家族や親戚に発見されたお年寄りのニュースも、「家族は何をしてるんだ!」という視点では報道されていません。
人口が減少し、豊かな経済を取り戻すために、女性の社会進出を善とする声もありますが、子どもと会う時間もなく、親の面倒よりオカネみたいな風潮があたかも正しいことのように言われていることが本当に正しいことなのでしょうか。
高齢者施設をたくさん作り、多額の補助金が投じられています。
足りないからと、海外から介護師となる人材を受け入れる動きもあります。少なからず何らかの補助制度もあるのかもしれません。
老老介護などと妙な言葉を作り出していないで、介護をしているご家族に補助金を出すとか、家族がつながる仕組みにこそ税金を使う時期なのかもしれません。
だから2世代以上の同居世帯に優遇措置をと考えます。
親の介護費用を捻出するために働いているって言うのはなんか変です。
帰省渋滞も、その時期満席の新幹線も、離れ離れの家族を想像してしまいます。
介護資格もない家族が親の介助をしていた時代と、現代の何が違っているのか・・・
便利をお金で買うことに疑問を感じなくなったからかもしれませんね。
Posted by NoriNori at 2013年01月08日 10:59
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