2014年08月12日

大きなアレ

大きなアレ「はるさん!たいへんっ!アレが大きくなっちゃって・・・」
そう言ってイマドキながらLINEじゃなく、メールをくれたのは、八ヶ岳で畑を貸してくれている居酒屋「花吹雪」のマスターでした。
広大な敷地の一角を、お店でお客さまに提供する野菜ナンかをできる限り自家栽培する目的で畑にしています。
農民ではないマスターが育てる野菜達は無骨ながら、方向付けられることなく昔ながらの味を実一杯に蓄え、ナマでかぶりつく採れたてトマトに幼少期の夏を思い出します。
先日届けたハロウィンカボチャの苗が実をつけ、それがグングンでかくなっているとのこと。
その成長ぶりにマスターは「肥料がよかった」とか、「場所を変えたから」などと持論を展開しますが、「いやいやそれは400キロ級の実になる遺伝子を持った苗なんだ」と言うことをお伝えするために、数カ月ぶりに野辺山を訪ねてみることにしました。

大きなアレ8月に入り、カラダも暑さに少しは慣れ始めてきたとはいえ、連日の30度越えでは蒸し暑い静岡を脱出する気にもなってみます。
久しぶりに訪ねる野辺山で、マスターの成長とカボチャの成長を見てトンボ帰りも芸はないと、カボチャは後回しにして先日友人に教わった長野県の茅野市にある「御射鹿池(みしゃかいけ)」まで足を伸ばしてみることにしました。
新緑の時期と紅葉の時期が最も美しいと言われる幻想的な空間は「アクオス」なるテレビのコマーシャルで一躍有名になり、当時は遠方からも物見遊山が押し寄せ、渋滞ができるほどだったようですが、観光地になることもなくひっそりとその美しさで訪れる人を魅了し続けているんだトカ。。。

大きなアレ昭和8年に作られた御射鹿池は人工池で、農業用のため池のようですが、ナビに連れられ標高1528メートルまで、細い山道をくねりながら登ります。
私が時々お邪魔する原村の「カナディアンファーム(ケベック料理)」からも30分程度の場所で、さほど遠い感じもしませんが、「白樺湖まであと30キロ」なんて看板を見ると、静岡からは決して近い場所ではないと実感します。
駐車場?なんでしょうか、4~5台ほど車が置けそうなスペースには既に3台の車が駐車していて、池のほとりでカメラを構えている人がいれば幻想的な空間は目の前なんでしょう。

大きなアレ道路から1メートルほど高くなった畔に立つと、確かにインターネットで見た景色が広がり、水面に映し出された緑の山とピーカンの青空は、まさに鏡写しでした。
風が吹いたら水面は揺れ、その姿はさざ波の中に消えてしまうと聞いていましたが、この瞬間は風もピタリと止まっていて、すべてが逆さまに映し出されていました。
思えば、どこの池や湖でも同じ現象は起こるはずですが、きっと「ロケーションがいい!」ということなんでしょう。
小さくないとは言え、かといって驚くほど大きくもない「御射鹿池」の畔を場所を変えて何ケ所か撮影してみましたが、やはり皆さんイチオシのポイントからの写真がキレイに見えます。
大きなアレ30分ほど居たでしょうか。
次第に風の影響で水面が揺れだし、水面に映った景色は消えてしまいました。

花は散るから美しいんだと言った人がいますが、はかない自然の美しさに心が揺れる年頃になったのかも知れません。
弱いながら水面を揺らし続ける風がおさまる気配もなく、30キロ先の白樺湖を30年ぶりに目指してみることにしました。
車屋ケンチャンたちとスキーで訪れて以来です。

大きなアレおぼろげながら記憶にある白樺湖は、もっと白樺の群生林の中にあったように覚えていましたが、若かった私は見たこともない銀色に光る白樺の数本に感動しただけだったのか、諸事情で景色が変わってしまったのか記憶とは全く違う景色でした。
白樺湖ももっと大きな印象でしたが、あいまいな記憶もまた、そんな年頃なのかも知れません。
目的もない白樺湖の周りをドライブしながら、「手打ち」と大きく書かれたソバ屋に入ってみました。
大きなアレ店内はほぼ満席で、メニューに並んだ値段を見ればさぞおいしいだろうと思える値段で期待も高まります。
で、届いた「天ざる」を食してみると、私の口はそのオイシサに到達していないらしく、まだまだ安価に楽しめるソバ屋で十分のようです。
「信州そば」とか「手打ち」とか「10割」とか、ソバもいろいろありますが、私がオイシイと感じるソバ屋さんは、機会があればいずれ紹介させていただきます。
少し残念な気持ちになり、本来の目的の野辺山まで戻ります。

大きなアレ中央道には乗らず、町の景色を楽しみながら1時間半ほどかけてのんびりの旅です。
ソバ屋に居た間中降っていたゲリラ豪雨もすっかり上がり、キラキラ光る山の間を走り抜けるのは大好きです。
やがて見覚えのある景色に変わり、きっと仕込みで忙しい時間に訪ねてしまったことを恐縮しながら駐車場にクルマを停めていると、いつもの笑顔で「居酒屋 花吹雪」のマスターが出迎えてくれました。
「見て見て」と、広大な畑に点々と浮かぶ黄色い花に向かうと、確かに大きなカボチャをあっさり見つけることができました。
大きなアレ30センチほどのカボチャに育っていますが、収穫は9月の末。
ここ2~3年のほぼ完成形の大きさで、収穫まではまるまる2ヶ月あるのに、この大きさはタダモノではないと直感できます。

鼻高々のマスターは、「どこまで大きくしちゃう?」とイタズラ顔ですが、「オレのクルマに乗る程度」が当然の答えです。

大きなアレ育て方マニュアルによれば、大きくしたいカボチャを決めたら栄養が集中するように他の実は採ってしまうようなのですが、コンテストに出すわけでもなく、できるだけたくさん収穫できるように「そのまま」にすることにしました。
20個ほどは収穫できそうです。

・・・あれから1週間。

知人が「肥料にどうぞ」とくれた「大豆のカス」が300キロ。
ウチに置いておいてもナンの肥料になるわけもなく、カボチャのドーピングに使ってみることにしました。
大きなアレ300キロもあれば、カボチャばかりでなく、マスターが育てている野菜達も喜ばせることができそうで、梅干しを山ほどくれたミハラセンパイを誘い、台風11号が接近する中、早朝の静岡を出発しました。
男同士の旅なので、お知らせすることはまったくありませんが、シラフのふたりが狭い軽自動車で肩を寄せあい、標高1500メートルまでエンジンをうならせながらの道中はなかなか新鮮で、奥様をうっかり誘い忘れたことを除けば、還暦おじさんとの旅も楽しいモンです。
10ばかり離れているだけで、教わることもたくさんありますが、決して押し付けない話術にまた惚れてしまいそうです。
大きなアレ畑に到着し、悲鳴を上げてきたクルマから早速「大豆のカス」を降ろし、ホッとする間もなく「異常事態だ」と言うマスターに着いていくと、先週見たはずのカボチャはほぼ倍の大きさにまで成長していました。
たった1週間。
何がどうなってンのか、確かに異常事態です。
デカすぎます。
さらに栄養価の高い「大豆のカス」を肥料にしちゃうのなら、果たしてドコまで大きくなるのかと楽しみな反面、持ち帰れる大きさを図るタイミングの判断も難しそうです。

成りゆきに任せるいつものスタイルで見守ってみましょうか。。。            



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Posted by Nori at 21:38│Comments(2)ぶらり旅
この記事へのコメント
noriさん、こんばんは。毎日猛暑続きで少し疲労気味です。
八ヶ岳方面は朝夕は涼しいでしょうね。
なかなか出かけられません。というより腰が上がらないです。
ハロウィンのかぼちゃのお話、素人の方が育てれば自身の
育て方がいいと思うのは当然かもしれませんね。私も以前
野菜を作った事がありますが、良く出来れば嬉しいですね。
でもそう問屋が許しませんが・・・・・・。
写真の御射鹿池は素敵ですね。話には聞いていますが
人工池とは知りませんでした。四季折々の変化が富んで
いる池のようで、近ければ訪れてみたいです。
Posted by なっちゃんなっちゃん at 2014年08月14日 18:38
なっちゃんさん、こんにちは。
カラダが慣れたのか、それともホントにあの猛暑がやわらいだのか、一時ほど暑い~と感じなくなったような気がします。
八ヶ岳ほどの寒暖差はないものの、静岡の朝晩も涼しく感じます。
御射鹿池は玄人好みの撮影ポイントかもしれません。
早朝の撮影の方が水面も安定していて、霧が出たりするとより幻想的だと地元の人は言っていました。
何にしても腰が上がらないのではその先はありません。
私も同じですが、なんだかんだ私の腰を持ち上げる偶然がたまたまあるだけです。
Posted by NoriNori at 2014年08月14日 19:05
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