2013年01月30日
炎と愛の綱引き

63歳にしてサモアの少女との婚約にこぎつけたザアさんの手招きにより、コッチに座れと、婚約ができてしまうほどの得意のジェスチャーで呼んでいるようですが、浮かれたオヤジの話しを聞く気分でもなく、放っておくと、まもなくザアさんが移動してきて私の横に座りました。

「プロなんだから、落ちないショ。フツー」と言えば、「足腰が弱くなるほどプロを続けちゃったよ」と、会話に空白を作らない人でもあります。
ケガもなく、こうして呑んでいるのですからプロといえば、プロなのでしょう。

短い単語で切り出すと、今夜はヤシガニの話しからスタートです。
「はるちゃん、ヤシガニパーティーなんだけどさぁ。。。そこら中にヤシガニは居るんだけど、現地のヤツらは食べないのよ。従って加工品もないわけで、空港でヤシガニがガサガサしちゃったら逮捕されるのかなぁ。。。ワシントン条約とかで。。。」

「じゃぁ、塩ゆでかナンカにして持ってきて」
「ダメダメダメダメ!オレ、現地で目をつけられちゃッてるから、アイツらが食わないものを茹でたりしてるのを見つかったら、また大騒ぎだよ」
「ナニ、またって。。。」
国境をまたいでご迷惑をかけている予感を放っておくことはできず、私も重いコシを上げて、話しに乗ッかってみることにします。

・・・どんだけ顔見知りになっちゃうんだ。。。
「こっちはさぁ、行く度に島の子どもたちがハイタッチしてくるから満面の笑顔でお応えしてきたわけよ。でもな、それが現地の大人たちの目には怪しいジャパニーズが、島の子どもたちをタブラかしてるんじゃないかってウワサになってたらしくて、彼女が結婚を決意した時、島が動いたのよ。」
・・・笑顔が罪になる人、初めて会いました。

「・・・長老会議・・・」
ブハァーーーッ!
この人が横に居るといつもカウンターがビールだらけになります。
「ナニナニ!、長老会議って!?」
いつも通り、カウンターを拭きながらジャングル並みの会議名に私は笑いが止まりません。

ブハァーーーッ!
※以下、ブハァーーーッ!は私が吹き出している様子だとお考えになっていただいて結構です
「島じゅうのマタイたちが集まって、ヒトーシ(ザアさんのほぼ本名)と、彼女を結婚させるわけにはいかないって判断が出ちゃってサァ。。。」
どうやら、この島では親ではなく、部落の承認が必要だったようです。

「彼女のオネェさんの提案で、マタイたちにカネを握らせようってことになって。。。」
「まさか。。。」
「約100万。。。」
ブハァーーーッ!
「ペソ?ウォン?キレイな穴の開いた石?」
「円。。。」
ブハァーーーッ!
「で、会議はひっくり返るって?」
「見事に。。。」

島を挙げての「シマシマ詐欺」かも知れない予感を前提に、「次に行ったら、空港の滑走路が増えてたりして・・・」と一瞬アタマをよぎりますが、質問を切り替え、「やっぱ、そんな重大な会議の時とかはファイヤーダンスとかしちゃうの?」と聞けば、「火とかくぐっちゃう・・・」とウソかホントかわからない返答ぶりは、きっと「アノコ」のことで、いろんなアタマがふくらん・・・一杯なのでしょう。

ザアさんの入国を拒否しない理由は「ヨコシマ」な大人の事情が背景にあるにせよ、瓦職人がファイヤーダンスの国との外交問題の火付け役にならないことを願うばかりです。
Posted by Nori at 13:28│Comments(0)
│ゆかいな仲間たち