2013年01月12日

チマメとゲボク

チマメとゲボク今年成人式を迎えるムスコくんをもつサンポさんは、大学受験に手間どっているムスメさんと共に、お子様たちを溺愛するお母さまです。
母娘は私のコトを親しみを込めて「下僕」と呼び、私も案外その呼ばれ方を気に入っています。
笑いと言うより爆笑の耐えない家庭の様子をオモシロおかしく話してくれて、持ち込む話しは、かなりの確率で笑えます。
既に社会人となり、仕事にも慣れてきたムスコくんが、社内旅行で連休明けの来週から韓国に行くことが決まり、親子共々ソワソワしているかと思いきや、今時の子どもは修学旅行で海外を経験していたりするために、余裕ブッコいてその日を待つだけの進化を遂げているようです。

チマメとゲボク私たちの頃なら、修学旅行なんて聞けば、忘れ物はないか、小遣いはどのくらい、やっぱり制服で行くのか、ほかに持ち物はないかと1ヶ月も前からド キドキしちゃったりしたものですが、私たちがガキ過ぎたのか、今の子達が可愛げなく成長しているのか、何が起ころうがお構いなしの態度をキープし続けます。

サンポさんは私よりも少し若いので、同世代と書けば本人は気に入らないかもしれませんが、まぁザックリ同世代なので子どもに対する考え方も似たり寄ったりで、ファンキーな生き方をしている割にはちゃんとしています。

チマメとゲボクムスメさんが学校でケータイを取り上げられたときも、「親を連れてきなさい」と言う学校の指導に対し、「行きたくない」という理由で拒否し続け、 数ヶ月の間ケータイを保管していた学校がシビレを切らし、オトガメなしで無事ケータイは戻ってくるのですが、モンスターさんたちのように、基本料金を学校が払えとか、何の権利があって取り上げたんだと先生に絡むようなこともなく、「学校のルールに従わないアンタがワルイ!」と爽やかです。

チマメとゲボクムスコくんが韓国行きを決めた直後、為替差益プラス勝手な手数料のゲットを目論んだサンポさんは「ウォンに換金してきてあげよぉか?」と、ムスコくんに持ちかけますが、カラ返事のまま時は過ぎ、なかなか現金を預かることができなかったようです。
どのくらいのピンハネを目論んでいたのかわかりませんが、銀行で換金するためには3日間も必要なことを突き止め、1週間ほど前からしつこくカウン トダウンを始めていたようです。
「アンタ日本円で買い物ができると思ってるの!?」と上手にあおるものの、一向にケツを上げる気配はなく、3連休を前にほぼタイムリミットとなる 昨日、「カードも持ってないんだから!」と詰め寄ると、なにやら謎めいた笑顔で「いーんだよ!」と答えたと言います。
「ナニがイーの?」「イイわけないジャン!」と目前のアブクゼニをみすみす諦められないサンポさんは粘りますが、当のムスコくんは多くを語ることなく、焦った様子もなかったようです。

チマメとゲボク講釈師ほどに臨場感たっぷりに話すサンポさんの変わり果てた形相をお伝えできないのは残念ですが、なかなか改善されない不況のしわ寄せは、仲良し親子の関係にまで及んでいるようです。

パスポートを持って何日も外国に行くのに、現金を持たずにいくはずはない・・・

と、その時、サンポさんにヒラメクものがありました。

チマメとゲボクムスコくんは、3つ年上の同僚で、かなり美人のお姉さんと仲良くしていることに気づいたのです。
「彼女」という存在ではないようですが、すごい美人が配置されたと、ムスコくんがコーフン気味に友達と話しているのを小耳に挟んだ直後、会社の呑み会だと出かけた彼は、10キロほども離れた夜の繁華街から「電車がなくて・・・」と、美人さんを連れて歩いて帰ってきたのが早朝で、母から女へと変貌を遂げたサンポさんは「タクシーはあったでしょ!」とギリギリ大人を保ちつつ、最寄の駅まで送ることになりました。

チマメとゲボク「あんなに長い距離を歩いてきちゃうなんてバカじゃないの?」とブツブツ言っていると、後部席に乗った二人は「楽しかったよねぇ」なんて見つめ合っちゃったりして煮えたぎる女心にさらに火をつけます。
ムスコくんはケータイ購入後、ほぼ着信音も鳴らないし、バイブも作動させないサイレントモードをキープし、緊急時には役に立たない通信ツールとなっていたのに、そんなことがあってからというもの、しばしば着信音が家の中に響き渡るようになったようです。

チマメとゲボク母娘は長距離を底の厚い靴で歩き続けた彼女を「チマメ」と名づけ、ケータイが鳴るたびに「チマメよチマメ」と小声でささやくようになったと言います。
「きっとチマメも韓国に行くんだわ」とヒラメいてしまったサンポさんは「チマメがウォンに換金するに違いない」と私に説明し、ムスメさんは「チマメが行くんならきっとバッグ屋さんやお財布屋さんに行くわよね」と、ハタチの世間知らずのお兄ちゃんを信頼できず、頼みづらかったブランド名入りの「お土産リスト」の 制作に取り掛かっているようです。

チマメとゲボク自分のムスコの友達を「チマメ」と呼ぶお母さんもどうかと思いますが、私を「下僕」と呼ぶ母娘であることを考えれば可愛いニックネームなのかもしれません。

ちなみに「チマメ」は、血液の「血」に食べるマメの「豆」と書いて「チマメ」ということのようです。

私はこの件について、一切ムスコくんに聞いてはいけないことを約束させられていますが、ブログに書くことは止められていませんので、ご紹介させて いただきました。 

        



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