きせつのはるにたんぼのＴＡ

久しぶりに眠れない夜を過ごしました。
地球上に数人しかいない「会いたくない人」と同じカウンター上で並んでしまったことが原因かと思われますが、数席離れた席に座り、会話をひとつでもしたわけではないのに、身ぶり手振りの影や声が聞こえてくるだけで、ドコにあるのかわからない「どんよりスイッチ」が入ってしまう自分が情けなく腹立たしささえ感じます。

本来なら行く予定のなかったその店で、こともあろうかオフィスでチマチマ仕事をしていた私に「はるちゃ～ん、タバコ３箱と、リポビタンＤ３本買ってきてくれない～？」という大先輩にパシリにされ、届けリゃそのまま帰してくれるはずもなく、座るのと同時に気づいたその人の存在に、「帰る！」と言い出す言い訳も見つけられず、いつもよりおとなしくできるだけ笑顔も少なく呑んでいました。

そんな時にステキなコトが起こるはずもなく、誰が呑んだのかキープしていたはずの焼酎も残りわずかで、余分な出費も腹立たしい限りです。
淋しい財布の中身を気にしながら、タバコの御礼のイッパイも、リポビタンＤの御礼のサンマの塩焼きも誰も気にしない中、オトーシをボチボチつまんでいると「今日はすき焼きがおいしかったよ」と先輩が言うので、「じゃ、ソレ」とメニューを見ることもなく一気に食欲の落ちた自分の環境を乗り越え、発注しました。

ウツワが小さな「コバチ」な私は、先輩の話しを聞いているような、そうではないような「心ココにあらず」な時間に耐え切れず、失礼ながら「オ・カ・ン・ジョ・・・オカンジョ」とクリステルみたいにおどけてみますが、もはやそれが限界で。。。

「えっと・・・はるちゃんは・・・６８００円ね。」

生ビール２杯、オトーシ１個、すき焼き１個、そしてニューボトル。。。

「え？そんなに？高すぎやしねーか？」
「あぁ。アイスは行ってなかったっケ？」

長年通ってるその店で、コオリなんか一度だって頼んだこともないのに、私の伝票につけられてしまっていました。

「じゃぁ、６４００円」
「氷が４００円もするんじゃ、頼めないな」とイヤミのひとつも言って帰宅しました。

財布に余裕があれば払ってしまったかもしれない料金に、どうにもガテンがいかず、私が知る限りの計算をしてみますが、コバチの私が言うのもナンですが、コバチよりも少し大き目の器に入っていたアノすき焼きの値段がどうしても１０００円になってしまいます。

ただの計算間違いなのか？

それとも特別な高級肉だったのか。。。タマゴが高級とか。。。

後日、ステファニー（７４）と、ドジョウがたっぷり入った７５０円の柳川鍋を食べながら、「一品１０００円もするような高級居酒屋には行けないな。。。」と、一向に届かぬアベノミクスを嘆いてみるのでした。