2013年06月15日

かくれんぼ

ご本人たちは「決して隠れてはいない」と言い切るのだと思いますが、堂々と立っていようが、相手にわからないように物影にいる事を私たちの世界では「隠れている」と表現しています。
ここ数日間で、「2度」隠れている大人を見ました。
日本代表がサッカーワールドカップ予選突破を決めた夜、賛否はともかく、渋谷で騒ぐ群集を見事にコントロールしたと評価された「DJポリス」なる警察官が脚光を浴びていましたが、事故やトラブルを未然に防ぐ目的で封鎖された交差点で、DJポリスの役割は大きかったとオオカタのメディアは持ち上げていました。

事故ゼロ!逮捕者ゼロ!と言いながら、映し出される映像では、複数の警察官に抱えられ、連行される一部の若者の様子には違和感を感じましたが、逮捕が目的ではなくあくまでもトラブル防止という目的は、概ね果たされたと言う評価だったのかも知れません。
先日も、国家公安委員長が、交通違反の取り締まりについて「取り締まりのための取り締まりになっている傾向がある」と異例会見をし、事故防止のために有効な手法の検討をせよと警察庁に伝えた事が話題になっていました。

「2度」見た隠れている大人は、別々の場所ではありましたが、いずれも同じ幹線道路沿いでした。
「とまれ」と書いた赤い旗を持った警察官の姿は、道路を走っている車からは見えない物影にあって、幹線道路から少し入ったあたりにはパトカーも停まっていました。
その地点から100メートルほど先には、やはり建物や電柱の影に、制服を着ていない大人が首元あたりに無線機らしきものをぶら下げ、先ほどの待ち受ける警察官に指示を送る作戦のようです。
察するところ、シートベルトの取り締まりをしている模様です。
ルールがある以上、いかなる理由があろうと、遵守するべきですし、もちろん違反者は罰せられるべきだと思います。

しかし、いつも思うのですが、本当にドライバーに対して「命を守るためにシートベルトを!」と思うのであれば、堂々と警察官が道路沿いに立ち、ルールを促す方法もあると思うのですが、捕まえる準備をした上で、隠れています。
大概、取り締まりをする場所は同じなので、日々通行するドライバーは、その地点に備え、ルールを守る事を覚えるのでしょうが、そのやり方がルールを守らせる一番の方法だとは思えません。
だから、「運悪く捕まっちゃったよ~」と言う人はいても、「運良く事故を未然に防いでもらった」と言う人がいないんだと思います。

以前、東京の先輩のところに遊びに行った時に、カーナビを頼りに、バイパスを降りたあたりで、隠れていた警察官に「一旦停止無視」の「罪」で停めていただいた事があります。

その場所は、バイパスから降り切ったあたりに確かに「一旦停止」の標識がありました。
私はそれを見落としてしまい、その先でバイパスの側道から合流してくるクルマに注意を払いながら走っているところを停められました。

違反してしまったのですから潔く関係書類の制作に協力します。
その時におまわりさんは大切な事を教えてくれました。
「事故にならなくて良かったですね。一旦停止をしないと、大事故に繋がる可能性があります。そういう場所に標識は設置されています」と。

「おぅおぅおぅおぅ、それじゃぁナニかい?私が大事故に巻き込まれたら、隠れて見ているおまわりさんは、そんな危険な場所で私を見殺しにしちゃったと言う事カイ?」

違反事項に対しては、犯した罪を認め、反省もしますが、人の命に関わる大切な教えを、ドライバーの「運」任せで教えるやり方に、普段温厚な私にも火がつきます。

「すぐそばにいて見殺しにしないで、せっかく危険な場所まで来たのなら、標識の下に立って、標識を指差しながら、猛スピードでバイスから降りてくる車に教えることもできたんじゃないか!?」と詰め寄ります。

「隠れてすぐそばに居ながら目の前で大事故が起きたらバツ悪いよなぁ!?それとも居なかった事にして逃げちゃうのかよっ!?」

オロオロする警察官でしたが、「捕まえるのが目的なのか、事故防止が目的なのか!?」とブチ切れて聞けば「捕まえるためです」なんてホントのコト言っちゃうモンだから収拾がつきません。
「言ってる事とやってる事がおかしいだろ!」と、スッタモンダのトンチ合戦みたいなやり取りを経て先輩のお店に到着し、「今日の想い出」を話すと、「あ~、アソコよくやってるんだよねぇ~」と。
いつも同じ場所でやってるから、近所の人は気を付ける。。。
ルールを守ってもらうための活動ではなく、やっぱり捕まえるための取り締まりに思えてなりません。

実は私がブチ切れるまでには伏線がありまして、私の住む静岡ではバイパスから降りてくるクルマが優先され、バイパスの側道を走ってくるクルマが「一旦停止」をしてから合流するカタチが多く、東京の方式とは正反対だった事から、標識を見落としてしまっていました。
標識が全国共通だとしたら、設置方法も共通にしないと、ただでさえ不馴れな知らない町で、事故が起きる可能性は増すように思います。
都会の道路ではカーナビと標識を交互に見ながら焦った田舎モンがノロノロ走っているわけですから尚更です。

自由を履き違えた日本人がたくさんいる以上、抜き打ち検査的に「隠れて取り締まる」ことも全く必要ないとは思いませんが、DJポリスのように「クルマの数だけ家族はいます。悲しむ人がいない日を目指しましょう!ぁ、お父さん、ナイスなスピードですねぇ!ぁ、奥さん、道の譲り合い!美しいですねぇ、私からもありがとうございます!」とか言いながら、クルマの流れを見ながら「抑えて抑えて」とアクションつきで沿道に立ってくれていたら事故は減るような気もするんですが。。。

シートベルトの取り締まりで、制服の警察官はともかく、その先で物影に隠れる怪しげな私服まがいの人を「不審者」として通報したら公務執行妨害とかになるんでしょうか。。。
反則金を集めるノルマがあるとか、違反者がいないと標識が立たないなんて噂も聞きますが、正しい話だとは思えません。
「とびだすな!車は急に止まれない!」って小さい頃から習ってきましたが、あの取り締まりを見る限り、おまわりさんが急に飛び出した場合、止まれるようです。  


Posted by Nori at 10:30Comments(0)独り言